小児総合病院マイヤー(イタリア・フィレンツェ) | 憧れの(?)Italia Firenze生活

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イタリアはフィレンツェに住みつき早十数年。
日本語を教えながら、イタリア人の夫と息子と暮らしています。
私の平凡なイタリア生活の実態を御紹介♪

以前、イタリアでは出産のための入院や分娩が無料だというようなことを書きました。↓
 

 
 
極低出生体重児で生まれた私の息子は、出産したフィレンツェ大学付属の病院カレッジのNICUにいたのですが、その後、お腹の手術が必要となり、カレッジ病院から車で3分くらいのところにあるマイヤーという小児総合病院へと4月末に転院しました。
こちらの病院もフィレンツェ大学付属の大学病院です。
 
 
 
今回は息子がお世話になっている小児総合病院Meyer(マイヤー)NICU(新生児集中治療室)について書きます。
 
 
その昔、メディチ家が別荘を建てた緑豊かな地区にマイヤーはあります。
10年ほど前に移転し、現在の場所、施設になりました。
 
イタリア国内では有数の小児総合病院だそうで、フィレンツェ、トスカーナ州だけでなく、イタリア全土から治療のために赤ちゃんや子供たちが来ています。
 
そのマイヤーのNICUにお世話になってる息子。
 
看護師さんたちも、ドクターたちも本当に親切で、「いやいや、私の息子ですけど?(笑)」というくらい息子をかわいがってくれてます。
親としても本当にありがたいし、心強いです。
 
 
前にいたカレッジ病院のNICUもそうでしたが、マイヤーのNICUも24時間面会可能です(両親のみ)。
 
 
多くのお母さんが朝から晩まで自分の子供と一緒にNICUにいます。私もその一人です。
 
基本的にオムツ替え、授乳、沐浴など医療行為でないことは付き添いの親がすることができます。
休日、私とダンナと二人で一緒に行く時は、息子の体を拭いた後、自分たちでベッドのシーツ交換もします。(強制ではない)
浣腸なども、看護師さんにやり方を教えてもらって、自分たちでします。
その子供の状態にもよりますが、カンガルーケアや抱っこはどんどんしてあげて!と言われるので、息子をいっぱい抱っこしています。
 
側にはいつも看護師さんがいてくれるので安心ですし、「少しくらいは私も息子の役に立てている」という親としての満足感も得られます。
 
(朝から晩までの付き添いが義務なわけではありません。オムツ替えなども親の義務ではなく、あくまでもしたい親にはさせてくれるということです。)
 
 
 
朝から晩まで病院にいるので、お昼も病院で食べるのですが、授乳中のお母さんには毎日病棟で病院の食堂の食券が配られ、昼食と夕食が無料です。
私は夕食は家で食べていますが、昼食はいつも病院の食堂でお世話になっています。
 
NICUには搾乳室があり、胸をお手入れするオイルやらのセットも完備。ミネラルウォーターも自由に飲めるようになってます。(お水が有料の国イタリアでこれはありがたい。)
 
週に2回、心理カウンセラーのドクターがNICUに来て、赤ちゃんのベッドを一つずつまわり、親の心のケアにも努めてくれます。
 
週に1回、音楽テラピー(っていうのかな?)があって、楽器を持ったお姉さんがそれぞれの赤ちゃんに子守唄を歌ってくれたり、穏やかな曲をフルートで演奏してくれたりします。
 
後、私はフィレンツェに住んでいるので対象外ですが、遠方からマイヤーへ治療に来る子供の親にアパートを無料で提供してくれます。
 
 
 
 
 
 
そして、以前のブログにも書きましたが、治療費、入院費、全て無料です。
私たち夫婦も出産からこれまで、治療費も入院費も1ユーロたりとも請求されていません。
オムツ代さえもです。
本当に全てが無料なんです。
それどころか、マイヤーに関しては食事や住居を提供してくれるほどですからね。
 
それで、施設やサービス、医療技術が劣っているかというとそうではないと思います。
(医療の事はよく分かりませんが、ヨーロッパの小児科医たちが集まってこの病院で会議をするくらいですから…日本より優れているかはわかりませんが、劣っているとも思えないんですよね。)
 
ホント、どうやってるの?
どうして成り立ってるの?
 
と、思ってしまうくらいです。
 
 
高い税金の一部が、こうしたサービスや施設を支えているんでしょうけどね。
また、色々な協会、ボランティアの支えも大きいようです。
 
 
いたれりつくせりの日本に住んでいた私は、確かにイタリアの色々な公共機関が機能しないことによく腹が立ちます。
「この国、大丈夫か?」と心から心配になること、これまでに数知れず…。
 
でも、今回、大事な大事な息子の命と健康がかかっている大切な場面で、イタリアのシステムが機能している(ところもある)ことを実感しました。
 
すごいです。
 
小児総合病院マイヤー、ありがとう。
イタリアの医療保険制度、ありがとう。
 
 
 
 
イタリア生活13年。
歴史、芸術、料理以外で、こんなに「イタリアすごいな」と思ったことはありません。
 
マイヤー病院が家の近くにあってくれたことを幸運に思います。
 
 
*イタリア全国のNICUの規則やサービスが同じなのではありません。
今回、ここに書いたのはあくまでも「フィレンツェ大学付属小児総合病院マイヤー(Meyer)」の話です。
 
 
下記をクリックした後、写真をクリックすればMeyerのいくつかの写真が見られる…はずです。
モダンな建物でデザインもイタリア的。病院とは思えないような建物ですよ。興味のある方はどうぞ。
 
 
 

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