先日の日本語個人レッスンでのこと。
学習者は40代前半のイタリア人女性で、初級の聴解問題をしていました。
問題は…
「いそがしくて、ゆっくりやすめないよ。」
上のフレーズに合った答え(3択)を選びなさいといったものでした。
2つは明らかにつじつまの合わない答え。
正しい答えは
「いそがしいのは いいことだよ。」
だったのですが…
「どれが正解か分からない。」
と言い続ける生徒さん
でも、彼女の話を聞いている分には、ちゃんと聞き取れているし、3択の全ての文を理解している様子。
それでも、
「この3つの中に正しい答えがない。」
と言うんですね
そこで、最終的には「いそがしいのは いいことだよ。」というのが正解だと教えたのですが…
「“忙しくて休めない”って言っている人に“忙しいのはいことだ”って言うの?
休めないほど忙しいことが、いいことなわけないじゃない!」
そうきたか
確かに、イタリア人なら「いいことだ」とは言わないでしょうね。
こうした場合、イタリア人は「かわいそうに」と言う人が多いと思います。
日本では休む暇がないほど忙しいというのは、それだけ仕事が上手くいってる、なにかしらやりがいのあることがある、という意味で「忙しいのはいいことだ」と言うと思うんですよね。
私もどちらかというと、忙しいのはいいことだと思うタイプです。
ま、確かに忙しすぎると問題もあるとは思いますが…。
そう説明すると、
「それは、とても日本人的な考えよ」
と、言われました。
そうかもねぇ…
でも、日本語の問題だからねぇ…。
文化的背景や、社会的背景の違いで、言い回しとか、言い方がかなり変わります。
だから、同じシチュエーションに遭遇したとしても、国が違うと、その時に言う言葉というのも変わってきて、常に自分の母語を直訳しているようでは意味が通じなかったりするのですね。
または、相手を不快にしてしまう可能性もあるわけです。
その国の、その言語の言い方というのがあるのですね。
この生徒さん、ファッション業界でバリバリ働いているお母さんなのですが、どうも「忙しいのはいいことだ」というのは納得できなかったようです。笑
ま、そんなこともあるよね~。
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