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現在の40代が「外国人労働者の受け入れ」に不寛容な人が多いのは何故か?
https://ameblo.jp/firebird-1090/entry-12416721900.html「外国人労働者の受け入れ」と「出入国管理法」
https://ameblo.jp/firebird-1090/entry-12416586858.html
「出入国管理法」と「法務省設置法」の改正案について
https://ameblo.jp/firebird-1090/entry-12420639410.html
「IR法案」や「出入国管理法」の真の目的とは?
https://ameblo.jp/firebird-1090/entry-12420044052.html
人手不足が特に深刻な建設業の実態
人手不足が特に深刻な業界はどこか?
それは、ズバリ、建設業(建築・土木)である。
実は、私はかつては建設業に身を置いていた。現在は違う業界に身を移し、あの頃の呪縛からは解き放たれているw
従って、建設業がどれだけ人手不足なのか身を持って知っている。
ココでは、人手不足が深刻と言われている業界の中でもトップクラスである建設業について扱う。
(本質は、人手不足が深刻な他業種も概ね同じ状況だと思われます)
※2018年11月27日更新
●有効求人倍率
厚生労働省の発表によると、全体の有効求人倍率は、2017年で約1.5倍、現在は1.59倍である。正社員に限っても1.08倍である。
有効求人倍率の原理は、例えば、、、
倍率0.5倍の場合、一つの正社員のイスに対して2人で争う事になるので、全体のうちの半分しか正社員になる事ができず、残りの半分は非正規(派遣、フリーターなど)という事になる。
これが倍率1.0倍になると、一つの正社員のイスに対して1人座れるようになり、よほど選り好みしたりコミュ力がないばかりに面接で落ちたりしない限りは、正社員のイスに座る事が実質保障されるようになった。
1999年前後の倍率0.5~0.6倍だった就職氷河期のド真ん中で就職活動をした私からしたら非常に羨ましい事である。
ところが、そんな有効求人倍率がある一定の水準を超えると、逆に「人手不足」という事態に陥る事になる。
倍率2.0倍になると、二つの正社員のイスに対して1人座れるようになるという事態になり、イスが一つ余ってしまう。これが「人手不足」である。
●アベノミクスの効果
2012年12月、第2次安倍政権が発足して以降、順調に数値を上げている。名目GDPや日経平均株価をはじめとする様々な数値が改善されていった。外国人観光客も増えて外貨を稼げるようにもなった。目に見える成果がある以上、そこは大いに評価するべきところ。
アベノミクスは順調だ!
政治は結果。そうなるような政策を打ち出してくれた安倍晋三内閣総理大臣には、日本国民の一人として敬意を表したいです!
もちろん、雇用面も大きく改善され、今の若者は、そういったところで冷静に安倍政権・アベノミクスを評価しているようだ。若者は賢明だ。
●雇用状況が改善された理由とは?
至ってシンプルな事だ。
少子高齢化によって労働人口が減少しているからだ。労働人口の減少自体は1995年頃から始まっているが、その問題がここ数年で顕著なものとして表れてきた。
有効求人倍率も上がり、就職できずに就職難民になってしまう人数は格段に減少し、イス取りゲームの激化も失せていった。
・高齢者が絶対的に増えていく
→退職者・引退者数が年々増加
・若者が絶対的に減っていく
→就職活動者・新入社員数が年々減少
そして、相対的に見て「退職者数・引退者数 > 就職活動者数・新入社員数」という不等式が成り立っている。
就職活動者の応募人数は年々減少しているので、企業は人材集めに苦労するようになり、気が付けば売り手市場(学生優位)になっていった。
会社経営を維持していくためには今後も人材は必要で、企業が人数を絞って厳選しない限り、売り手市場は続くものと思っている(業種による)。
●リフレ派は「雇用改善の理由=金融緩和」と反論
しかし、リフレ派の"自称"経済評論家たちは、少子化による労働人口の減少(=人手不足)を否定し、雇用改善はあくまでも「異次元の金融緩和のおかげ!」(キリッ!)と言い切るわけだ。
確かにアベノミクスの成果において金融緩和による効果自体は否定しないが、雇用改善の理由としては金融緩和の成果が全てではない。
しかし、それでも、リフレ派の"自称"経済評論家は、
「人手不足は良い事だ!」(キリッ!)
「賃金を上げればいい!」(キリッ!)
「少子化で人手不足になるから外国人を受け入れるべきだという論理は誤っている!」(キリリッ!)
などと、寝言をホザいているわけだw
人手不足になったらどうなるか、想像できないらしい。人手不足が深刻な業界では、賃金を上げたくらいでは人は集まらないのが現実だ。本来のセオリーや常識が通用しないのだ。(詳細は後述)
デフレ脳は論外だが、リフレ脳もかなりアホを晒しているw
そもそも、リフレ政策には限界がある。
リフレ派は、金融政策万能論を唱えるわけだが、全くのデタラメだ。
リフレ派は「マネタリーベースを増やせばデフレ脱却できてインフレ率2%になる!」(キリッ!)などと口を揃えて言っていたが、アベノミクス開始から5年半が経過して、インフレ率は一時は約2.8%までに達した事はあったけど、またすぐに1%未満に下がってしまったw
ようするに持続性がない。
これが現実ですやんwww
これがリフレ派の限界なんだよ!
●有効求人倍率の高い業界はどこか?
厚生労働省が発表したグラフの通りである。
最も高い業界は建設業(建築・土木)である。
これらの業界が、全体の有効求人倍率の数値を押し上げている。これらの業界を省けばおそらく倍率は1.2~1.5倍くらいになると思われる。(たぶん)
「人手不足なんてウソつくな!」という主張は、この有効求人倍率の表によって崩れ去る。
●建設業の現実
まず、、、
技術革新してくれば大丈夫!
汎用AIが発達してくれば大丈夫!
待遇改善すれば大丈夫!
↑
などといった事が全く通用しない。
建設現場は全て人間が、安全に十分注意した上で、一つ一つを手作業&目視で行う。職人の勘も時には必要だ。
更に、
・タワークレーン
・フォークリフト
・溶接
・高所作業
・玉掛け
・電気工事士
・施工管理技士(建築、電気、管工事など)
などなど、多岐にわたり、資格・免許・講習が必要になる。難易度は様々。
しかし、それらを扱える技能を持った職人や施工管理(現場監督)の数が足りていないのが現実だ。
●建設業は、もはや「3K」ではなく『5K』
そのような感じで人手不足なので、一人あたりの負荷が増し、従事している者はほとんど休みなく働かなければならなくなる。
施工管理はもっと過酷で、ほぼ毎日、朝から終電前までミッチリ働く。現場事務所に泊まる事もある。休みは日曜日のみ。
・キツイ
・汚い
・危険
・休日休暇がない
・帰れない(施工管理)
もはや「3K」の領域を完全に飛び超えたスペシャルクラスの『5K』である。
外部から見たら超絶ブラックそのものだ。
●建設業界の働き方改革
すっかり超絶ブラックのイメージがついてしまった業界だから、募集をかけても応募が来ない。応募者ゼロの場合もある。
応募どころか、現有戦力にさえ逃げられてしまう有様。
これが現実!
働き方改革で少しは変わる期待も持てるが、状況はすぐに変わるものではない。
新3Kと謳われている「給料」「休日」「希望」は、お金があってこその話だ!
2017.10.26(LINO)
建設現場の「新3K」って何? 深刻な人手不足の打開策になるのか
建設業界に求められる働き方改革やICTの活用処
●建設業の人材の「需要と供給」
「仕事の出来る人材が不足しているだけだろ!」
→経験者の数自体が足りないし、そもそも、経験・未経験に関係なく、人そのものが不足している。
「仕事の出来る人材を育成しろよ!」
→育てようにも、募集をかけても人が来ないのだから、どうしようもない。
「給与待遇の改善をしろよ!」
→賃上げしたくらいでは人は来ない。
例えば、1割増とかそんなシケた割増程度では、まず来ない。
2倍くらい上げれば来るかもしれないけど、そんな人件費はスーパーゼネコンにも無い!
「内部留保を吐き出せばいいだろ!」
→内部留保の意味を分かってて言ってるの? 誰かの受け売りをそのまま言ってバカ晒すなよwww その言葉はNHKに対してのみ言ってくれ!
「休日を増やせよ!」
→従業員の休みを確保しようと思ったら、工期を延ばさなければならなくなる。そうなると、その分の人件費等が余計にかかってしまう…。
ようするに、「需要(仕事)はあるが、供給(人)がない」。
まさに、負のスパイラルだ。
従って、給与待遇改善したところで焼け石に水である。逃げられる事はあっても、集まる可能性はほぼ絶望的。来たとしても、1ヶ月足らずで辞めていく者もいる。
離職率も高いのだ!
そして若者は建設業にはなかなか行きたがらない。彼らは非常に賢明だ。先見の明があるからだ。
現実をもっとよく知るべきだ!
●賃金を上げろ? では、何割上げればいいの?
それでも、「賃金を上げろ!」って言うのなら、具体的に何割増しすれば人が集まる&離職しないと思ってるのか、それをお答えいただきたい!
でも、明確な答えが返って来た事は一度もないw
お隣の国がムリな賃上げをした事で、雇い控え・雇い止めが起こり、有効求人倍率が下がり、失業状況が悪化した。そのせいで、日本に2万人くらい押し寄せてきたんだけど、その事実は語らない。
何も考えずに言っているだけというのがよくわかる。
「賃金を上げればOK!」だなんて、キミらのアタマは共産党&社民党レベルか?www
そもそも、建設業の年収がどれくらいあるのか知っているのか?
スーパーゼネコン5社は、約900万円。
準大手ゼネコンや中堅ゼネコンは、約640~750万円と、やや幅がある。
地方や中小企業は上記よりも更に低くなる。
金額だけ見ると高く感じられるのかもしれないけど、前述の通り『5K』の業種である。
だが問題は、ゼネコン(元請け)の下につく「下請け業者」(外注業者)や「サブコン」である。
・ゼネコン…建築、土木
・下請け(外注)…大工、鳶、左官工などなど多数。
・サブコン…電気、空調、衛生、消防
下請けやサブコンは、更に1次業者、2次業者、3次業者……と枝分かれしていき、下に行けば行くほど回ってくるお金も少なくなっていく。従って、ゼネコンよりも年収は低くなってしまう。
(正直、そういった建設業の体形体質には問題があると思っている)
また、当然ながら経験年数にも左右されるので、業界1年目はどうしても抑えられてしまう。
そして、クドイようだけど、地方や中小企業は更に低くなる上に、『5K』の業種である。
ゼネコンはまだ良いほうかもしれないけど、下請けやサブコンとなると、本当に思うように人が集まらないのが現実なのである。
さぁ、果たして、どれだけの賃上げをすれば人が集まるようになるんだろうね?
1.5~2倍くらい上げれば人が集まるようになるかもしれないが、そんな事はスーパーゼネコンですらムリなわけで、地方や中小企業の建設会社が無理に賃金を上げたら、ほぼ潰れるよ。
で、こう言うと「給与待遇を改善して潰れるくらいなら潰れろ!」などという謎理論が飛び交うわけだ。もし仮に潰れたとしたら、もっと悲惨な状況になるだろう。それこそ、日本人の雇用の危機が起こる。
「日本人の雇用を優先するべきだ!」という思いが、逆に、日本人の雇用を危うくする…という事がわからないようだw
●外国人労働者は以前からいる
そもそも、外国人労働者というのは昔からいる。以前と比べて数は増えたけど、それでも労働力は足りていない。
受け入れは今に始まった事ではない。それを、あたかも初めて外国人労働者を受け入れるかのように批判している情弱保守は滑稽だ。
突然失踪して行方不明になった人の話も確かにあるが、全体で考えれば数パーセントの事だ。
そこの管理を更に厳格化して取り締まれるようにするのが、『出入国在留管理庁』の新設と『出入国管理法』(入管法)の改正という解釈である。
外国人労働者は真面目な人が多いと思っている。彼らは勤勉だ。遊びに来ているのではない。少なくとも、現在の日本の若者よりは仕事ができる。
●ベトナムの建設業界
ベトナム 建設業界における請負業者の現状レポート
特に、建設業は、ベトナムからの人材を受け入れている。
ベトナムの建設業界には強力なバックグラウンドがあり、年々発展している。
自国で3年以上の経験を積み、一定の日本語を習得した者が日本にやってきて、外国人労働者として従事する。
現状を見れば、もはや、日本が受け入れるのではなく、日本のほうからお願いに上がる立場である。
●建設業が衰退するとどうなるか?
建設業が縮小され、衰退していくと、「国土強靭」や「地方創生」にも関わる大きな問題となる。
そして、人手が足りないので、特に地方は疲弊する一方だ。
人手不足の対策は急務だ!
しかし、それを脊髄反射で頭ごなしに猛反対して阻止しようとする連中がいる。情弱保守である。
「安倍政権を支持」と言いながら、安倍政権の背後から矢を放ったり銃を撃ったりする。ある意味、ぱよぱよちんよりもタチが悪く、もはや国益をも損なう連中と疑ってもいい。
・2018.11.05(京都新聞)
「何度入札しても」復旧工事1年手付かず 疲弊の地方、負の連鎖
こういった現実を知らない、建設現場の仕事経験のない部外者が、安全地帯から「移民法案」だの「賃金を上げればいい」だの「欺瞞」だのと好き勝手無責任な事をホザいているわけだ。
このまま人手不足の事態を放置すれば国土が弱体化してしまう。豊かさを保つ事もできなくなり、社会保障費や防衛費などなど、ありとあらゆる費用を削減されてしまうだろう。
そうなってしまっては本末転倒だ!
●被災地の復興も思うように進まなくなる
残念ながら、日本は災害大国である。それは事実だ。従って、日本は災害のリスクを常に考慮しておかなければならない。
災害が起これば、職人は被災地に借り出され、そこでまた休みのない仕事生活。
しかし、福島・熊本・西日本などの被災地の復興はなかなか思うように進まなかった。職人の数が足りないからだ。だから、被災地に行っている職人は、休みなくずっと働いている状態だ。
正直、たまったもんじゃないが、それでも被災地のために歯を食いしばって頑張っている。
震災、台風、豪雨等で建物が倒壊すれば、復興するのに建設業の力が必要になるわけだが、その時に人材がいなかったら、復興が思うように進まないのは当然だ。
現実をもっとよく知るべきだ!
・2018.11.06(日本経済新聞)
震度6強で「倒壊の危険性高い」858棟 本社調査
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37430530W8A101C1SHA000/
●東京オリンピック
このままでは、2020年の東京オリンピックに間に合うかどうかさえも怪しくなってくる。
ましてや、東京都知事は緑の小池百合子だw
不安でしょうがないw
東京オリンピックは、日本経済を大きく刺激するビッグイベントだ。日本を全世界に大きくアピールする大チャンスである。日本にはそれだけのものがある。
成功すれば、間違いなく、自由貿易や輸出産業に最高の影響を与える。外国人観光客も更に増え、外貨も多く稼げるようになる。
東京オリンピックから3年後の2023年には、統合型リゾート(Integrated Resort=IR)も出来上がる予定だ。ここに多くの外国人観光客や世界中の富裕層を取り込めば、それこそ多くの外貨を稼ぐ事ができ、東京オリンピックに費やしたお金もすぐに回収できる。
しかし、建設面で東京オリンピックに間に合わなくなってしまえば、その芽も摘まれてしまう可能性もある。
だからといって、ボランティアに建設作業をやらせるわけにもいかない。
東京オリンピックには、日本の未来がかかっているのだ。
●財政出動をしよう! 金融緩和はもうお腹いっぱい!
公共事業関係費は、1998年をピークに下がり続けた。2009年の「コンクリートから人へ」で更に2割減らされたのはトドメの一撃だった。
公共事業関係費(政府全体)の推移
1997年~2017年度の予算ベースのデータ
http://www.mlit.go.jp/common/001159182.pdf
こんなんで公共事業がマトモに回せるわけがない!
事業をマトモに回すためにも、給与待遇を改善させるためにも、「財政出動」が必要だ!
そのためには、米ウォール街の金融銀行勢力、世界銀行、IMFという"外圧"との戦いを制さなければならない!
財務省はそれらのフロントマン、マスコミは情報工作用ツールである。それらの勢力に財政出動や消費税減税を妨害され、安倍総理も麻生大臣も苦心している。
従って、現実的に観れば、今は、様子を伺いながら出口戦略に向かえるタイミングを見計らうしかないだろう。
しかし、安全地帯から「賃金を上げればいい!」という謎理論を振りかざす人はいても、「財政出動」をセットで口にする人がいないのが不思議でしょうがない。
おまえらは外圧を気にする必要ないやろw
そういった連中(特にリフレ派)が、超テキトーな事をバラ撒くものだから、経済オンチや経済無知が量産されてしまったんだろうね。
そりゃあ国民の生活が豊かになるはずがない。
"自称"経済学者や"自称"経済評論家の存在意義って何だろうね?w
●賃金が上がらない本質とは?
そして何より、"自称"評論家の連中は、「株の配当金の高さ」には一切触れない。
米国株と日本株の配当金を比較、バブル時の配当支払い総額はいくら?
従業員の給与がなかなか思うように上がらない本質がここにある。
高い配当金を求める投資家の存在
↓
投資家の獲得のために、高い配当金を差し出す企業
↓
従業員の給料がなかなか上がらない
↓
実体経済にお金が回らない
↓
デフレから脱却できない
これは即ち、東京証券取引所の呪縛によるもの。
そして、高い配当金を求める投資家の本拠地は米ウォール街にあり、現在、トランプ大統領が戦っている相手でもある。
"自称"評論家の連中は、知ってか知らずか、この現実に一切触れない。
●最後に…
とにかく、ここまで言っても外国人労働者の受け入れに反対するのなら、建設現場の実態を都会から地方まで見て来い!
以上。