特別養護老人ホームでの人間関係づくり | 介護の体験談

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2023/9/26

特別養護老人ホームでの人間関係づくり

つい先日、親しい友人のお母さんがご自宅からほど近い特別養護老人ホームに入所されました。

2回目の脳梗塞で倒れ、手術は成功したものの半身麻痺が残り、言葉も少し不自由になったため、入所した方が安全という理由でした。

私は学生時代から友人のお母さんにはいろいろとお世話になっていたのですが、とても明るくて社交的なお母さんでした。

グループでよく友人宅に立ち寄り、お菓子を食べたりご飯をご馳走になったり、お泊りまでさせてもらったり。

お母さんは、いつも笑顔で私達を歓迎してくださったものです。

そんなお母さんですが、入所したばかりの特別養護老人ホームで最初にぶつかった壁は、一から始めなければならない「人間関係づくり」だったそうです。

今までに築いてきたご近所さんとのお付き合いなどは少なくなるわけですし、新たにホーム内での人間関係を一から築いていかなければなりません。

そこでお母さんが心がけたことは、当たり前のことではありますが、とにかく挨拶をするということだそうです。

入所者の中には認知症の方もいらっしゃれば、警戒心の強い方や気難しい方もいらっしゃるため、挨拶をしても無視されたり、黙って睨まれることもあったそうで、最初は戸惑ったり凹んだりすることもあったそうです。

しかしあきらめず、不自由な身体と言葉でも挨拶を続けていると、少しずつ返事をしてくれる方、世間話をしてくれる方も現れ、今では友達もできたそうです。

終の住家となるかもしれない特別養護老人ホームですから、できるだけ楽しく、居心地良く暮らしていくためには、最初にちょっとした勇気を出すことも必要かもしれませんね。

特別養護老人ホームに感謝

私の父は65歳の時に脳溢血で倒れたのですが、治療の開始が遅かったために、半身不随の状態となりました。

発病してから2年ぐらいの間は総合病院で治療を受けさせて頂いたのですが、病院側から退院の勧告がありましたので、自宅に戻る事になりました。

半身が不自由でしたので、入浴する時には家族の介助が必要でしたし、歩行することも不自由でしたので、ほとんど家にいる状態でした。

当時は介護保険制度がありませんでしたので、家族だけで介護しなくてはいけませんでした。

介護の疲れが限界になってきたため、一時総合病院に入院させて頂くことがありましたが、何か月か入院させて頂くと、やはり退院しなくてはなりませんでした。

ある時、市役所から派遣された保健婦さんの紹介で特別養護老人ホームという施設があることを知りました。スカトロサイトおすすめ

しかし特別養護老人ホームに入所を希望される方はとても多くて、すぐには入所できない状態でした。

ようやく順番が来て入所できた所は、恵の丘長崎原爆ホームという施設で、純心聖母会のシスターが被爆者事業として全力を注いで開設されたもので、山の上にあり風光明媚で静かな環境の所でした。

その施設に入所させて頂いたおかげで、家族は介護の負担から解放されました。

父も老化が進み、ほとんど寝たきりの状態となりました。

だんだんと痴呆も進んでいるかの印象もありました。

そんな父のもとを訪れた正月のある日、施設の職員さんから父が書いた1枚の書き初めを渡して頂きました。

その書き初めには、生まれたばかりの私の子供、父からすれば孫の名前がしっかりと書かれていました。

表情が無くなり、ほとんど寝たきりの状態の父が、自分の持てる力をふりしぼって書いてくれた書初めには、孫の誕生を祝う父の嬉しい気持ちがとても込められていました。

その書初めを書いた半年後父は帰らぬ人となりました。

こうして私達家族は特別養護老人ホームのおかげで介護という過酷な親の世話を手助け頂き、最後まで父を人間らしく生かして頂いた事にとても感謝しております。

特別養護老人ホームのいろいろ

特別養護老人ホームという場所は、老人福祉法上の老人福祉施設の中の一つです。

特養や特養ホームなど、略して呼ばれうこともあります。

また、特別養護老人ホームでは一般家庭で生活している、介護が必要な状態のお年寄りに、市町村の委託を受けて、いろいろなタイプの事業も行っています。

その一つが、老人短期入所運営事業で、大まこに分けるとショートステイ・ホームケア・ナイトケアなどがあります。

ショートステイは、家庭での介護者に代わって、介護が必要なお年寄りを短い期間、老人ホームに入所させて、介護家族の負担を軽減させ、家族の福祉の向上が目的です。

ショートステイを利用できる期間は、原則として7日以内となっています。

ホームケアは、短い期間だけ特別養護老人ホームなどに入所させ、介護が必要なお年寄りに対して、日常動作訓練や介護の受け方の指導を行い、家庭での介護者にも介護方法の実習をし、要援護老人とその家族の在宅生活支援をすることが目的です。

ホームケアを利用できる期間は、介護が必要なお年寄りは3週間、家族の介護者は7日間です。

ナイトケアは、痴呆性老人などを一時的に夜間のみ入所させ、家族の負担を軽くすることが目的です。


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