ちょうどその頃、県を通じてある打診がその企業にありました。
東京の某有名百貨店で毎年開催されるその県の物産展に、今まで出店していた同業者が出店を取りやめたから、代わりに出ないか?とのこと。
経営改革ならば、生産の強化のみならず、小売まで含めた一気通貫体制の構築は不可欠。そのためには、今あるような自社店舗での販売ではなく、商品のブランド化を進めた上での特殊ルート作りが欠かせない。そう思っていた私にはまさに「渡りに船」だと映りました。
その百貨店ならばブランド作りに必ず役立つ。東京の舌の肥えた消費者に、ある戦略加工品を評価してもらえる。もうひとつ、その企業が立ち上げるWebショップの宣伝もできる。・・・考えれば考えるほど良いコトづくめです。
ところが。
社長は逃げ腰です。「自信がない」「その物産展の期間中、通常業務を行う人の手配がつかない」「前の出店者が辞めたのは儲からないからだ」などなど。相も変わらずやる前から「出来ない理由」を述べ立てる。
私はひとつひとつその逃げ口上を戦略に照らし合わせて論破してきました。
その結果何とか社長も消極的賛成に。
でも動きに不安を感じた私は、専門知識はないが会社や商品に対する熱い思いを持つ社長夫人に「物産展プロジェクトのリーダー役」をお願いしました。
夫人は当初「社長を差し置いて」と躊躇しましたが、行おうとしている経営改革上におけるこの物産展の持つ重要性を説明し、何とか承諾してもらいました。
(つづく)