中小・零細企業とリレバンについて(1) | アツキココロ

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広島県在住の経営コンサルタント・児玉学の熱血ブログ。

私のように中小・零細企業のコンサルティング現場にいる者にとって、「ヒト・モノ・カネ・情報」といった経営資源に優先順位をつけよ、と問われたら、その第一位は「カネ」と言わざるを得ません。


もちろん、企業の核を成すのが「ヒト」であることに異論もありませんし、「ヒト(経営者含む)」が全ての企業価値創造の源泉であることは、むしろ声高に主張したいほどです。

しかし、企業にとって「血液」にも例えられる「カネ」が多くの中小・零細企業に不足しがちで、いつ貧血で倒れてもおかしくない状況であることを眼前で見ている立場としましては、「まず生き抜くために『血液(カネ)』を。そして血色が戻ってきた段階で、体力増強(その他の経営資源充実)を。」という発想になるのは否めない事実です。


中小零細企業に向けて血液を供給する輸血機関の中心は、「地域金融機関(地銀・第二地銀・信金・信組)」です。

金融危機を乗り切り、全般的に回復基調にあると言われる銀行業界ですが、その中心はごく一部の「メガバンク」に偏っており、地域金融機関の本格回復はまだ今から、とも言われています。


2003年3月金融監督庁は、メガバンクとは一線を画す地域金融機関に向けて「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム(以下、「アクションプログラム」という)」というものを発表しました。

これは、中小企業金融再生に向けた取り組みと、各金融機関の健全性の確保、収益性の向上等に向けた取り組みの要請です。更に2003年12月にはこれを受けて、「金融検査マニュアル別冊・中小企業融資編、改訂版(以下、「検査マニュアル改訂版」という)」を公表しました。

これらはいずれも金融危機以来締め付けを強化してきた金融行政が、こと「中小企業金融」については実態を十分に踏まえたものになっていないことへの揺り戻し現象です。


これを受けて、地域金融機関はリレーションシップバンキング(以下、「リレバン」という)機能の強化を図ってきました。

しかしながら、現在この効果が徐々にでも出て来ているのはごく一部の金融機関にとどまり、多くの場合「辻褄あわせ」に終始している実態があります。

それはなぜなのか?どうすれば地域金融・地域中小企業共にWin-Winの関係が築けるのか?

このことについて、私論を述べてみたいと思います。


(ちょっと固いが次回に続く)