皆様、こんばんは![]()
私は注入用のヒアルロン酸がまだ無かった時代・・・、そう、牛コラーゲンの時代から注入治療をやっておりまして、講演や医学書の執筆などをたくさんさせて頂いてきたこともあり、注入治療の副作用ついて患者様からも先生方からも相談を受けることがよくあります。
中には本当に悲惨な症例もあり(多くは示談で解決されるため、公になることはありませんが……)、せっかく綺麗になろうと思って受けた治療で、悲しい思いをする人を一人でも減らしたい。そんな症例を少しでも減らすために、是非皆様にも知っておいていただきたい正しい知識を少しずつ発信していこうと思います。
医療事故を起こしてしまったクリニックや医師を糾弾する目的ではありませんので、クリニック名や患者様のプライバシーに関わるところについては設定を一部変えてお伝えする場合がありますが、内容の本質についてはすべて真実です。
法令線への注入で鼻翼が壊死
30代のまだ若くてキレイな方。
法令線が気になり、ネットで探した美容クリニックでヒアルロン酸注入を受けたところ、注入時に強い痛みがあり、注入直後から鏡を見ると鼻翼の皮膚が白くなっていたため、医師に「大丈夫か?」と確認するも、「そうですね~、多分一時的なものだから様子みてください。」と言われ帰宅。
その後も痛みが継続し、2日目ぐらいから膿をもったニキビのようなものが出来はじめる。(初期はニキビやヘルペスのように見えることあり)
心配になって施術を受けたクリニックに電話で問い合わせするも「しばらく様子をみてくださいね」と言われ、放置。
3日目ぐらいからニキビのようなものが増え始め、皮膚の色がどす黒く変色してきて、口腔粘膜内に口内炎が出来はじめる。
ここで何かおかしいと感じ、別の美容クリニックを受診。動脈塞栓の疑いにてその場ですぐにヒアルロニダーゼの局注や抗生剤の点滴などの処置を受けるも、日ごとに皮膚の変色が進み、注入から2週間後には鼻翼が真っ黒に壊死してしまった。
実際の写真ではありません。イメージイラストです。(本当にこんな感じになります。)
ネットで「necrosis hyaluronic acid」で検索すると、似たような写真がたくさん出てきます。(閲覧注意
)
さて問題点は?
これ、完全に防げた事故です。
施術を行なった医師に確認すると、注入には太め(27G)のカニューレ(先の尖っていない針)
を使用したとのこと。
一般的に太いカニューレほど、安全性は高くなると言われています。・・・が、それは正しく使用した場合です。使いかた次第によっては、鋭針よりも怖い最悪の凶器と化します。(悲惨な症例の多くがカニューレによるものです。ただし、正しく使えば安全性が高いのもカニューレです。)
それは、このぶっといカニューレが血管内にダイレクトにぶっ刺ささった場合です。
イメージとしてはこんな感じかな![]()
カニューレの先端が血管内にダイレクトに入ってしまうと、注入したヒアルロン酸が全部そのまま血管に入ってしまいます
。
・・・どうしたらカニューレが血管に入ってしまうのか?
まずひとつは、
リスク血管がある危ない層に針を挿入している
※場合によってはリスクエリアに針を進めないといけないこともあります。
![]()
乱暴な操作で針を挿入している
私は他の医師に注入指導をおこなう場合、「木綿豆腐以上の硬いものには、力任せに針を進めるな
」と指導しているのですが、本当に木綿豆腐を突き刺すぐらいの弱い力でも乱暴に針を進めると、血管を突き破ることがあるんです。(特にこめかみエリア)
乱暴に針を進めない(特にリスクエリア)ことが、すごく大切。
大きな声では言えないけど、やらかす先生の手技を見ていると、ほぼ100%手技が荒くて乱雑
。そして注入が異常に早い。
(ゆっくりならいいというわけではなく、安全なエリアは手早く危険なエリアはゆっくりとメリハリが重要
)
今回も、鼻翼を栄養している血管(眼角動脈)にダイレクトにカニューレが刺さってしまい、注入したヒアルロン酸(4cc)がすべて血管内に入ってしまったようです![]()
この位置で血管が詰まると、ここから先の皮膚(鼻翼)が死にます(壊死)![]()
・・・100歩譲って、ダイレクトにカニューレを血管に刺してしまったとしても、そこからまだ救済できるポイントはいくつもありました。
救済できたポイント
①針先が血管内に入ってしまっていないか、注射器のプランジャーを引いて逆血がないか確認する。
太いカニューレが太い血管にダイレクトに刺さってしまった場合、10秒程度プランジャーを引くと、ぶわ~っと鮮血がシリンジ内に逆流してきます。さすがに私はカニューレを血管内に刺したことは一度もないですが、そういう動画を何度か見たことがあります。
この段階で吸引テストをちゃんとやっていれば、ここで塞栓を防ぐことができたはず。
②吸引テストをやらなかった、あるいはやったけど逆血が見られなかった場合でもまだチャンスはあります。それは極少量ずつ、ゆっくり注入すること。そして、注入した分だけ法令線が盛り上がってきているかどうかを確認すること。
血管内にヒアルロン酸が全部入ってしまうと、入れた量の割に法令線がちっとも浅くなりません。
少量注入したところで、「あれ?おかしいな?」と気がついていれば、このような悲惨なところまでには至らなかったはずです。(0.1cc程度の注入量であれば、血管内に入ったとしても重篤な症状にまでは至らないことが多い)
そしてなによりこの事例で大問題なのは、
③注入直後から鏡を見ると鼻翼の皮膚が白くなっていたため、患者様が医師に「大丈夫か?」と確認したのに、「そうですね~、多分一時的なものだから様子みてください。」と言ってしまっているところ。
皮膚の即時の白色化は、動脈塞栓の非常に大きな兆候です!
患者様に指摘される前に、医師の方がその場で顔面蒼白になってしまう案件です、これは![]()
速効その場で、ヒアルロニダーゼで溶かす!溶かす!溶かす!
もしこの症例も、最悪ここですぐにヒアルロニダーゼを打っていたならば、壊死という最悪の事態は避けれた可能性が高いのです。
ほんまに残念![]()
では、この医師はなぜそうしなかったのか?
長くなるのでそれは次回に
(あかん、書いてたらヒートアップしてくるので一旦冷ますw)
いわクリ日記もよろしくお願いします![]()
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