かつて慰安所担当軍医や慰安所係であった人々の手記からも、公娼制度下の業者たちが慰安所設置や女性の徴集に協力していたことがわかります。たとえば、長沢健一『漢口慰安所』(図書出版社、1983年)、山田清吉『武漢兵站―支那派遣軍慰安係長の手記』(図書出版社、1978年)などでは、大阪や神戸の遊廓の業者やその関係者たちが、軍の命令を受けて漢口の慰安所に女性を連れて出店したことが明記されています。そして、慰安所経営者の経営方法に対して軍部が管理・監督をしていたことが明確に証言されています。
日本軍「慰安婦」被害者の女性たちの残した証言からも、娼妓・芸妓・酌婦などの女性たちが軍によって「慰安婦」に徴集された事例が明らかです。
代表的なものとして、千田夏光『従軍慰安婦』(双葉社、1973年)、同『従軍慰安婦・慶子』(光文社、1981年)、城田すず子『マリヤの賛歌』(日本基督教団出版局、1971年)。たとえば、1925年に生まれ、貧困のため子どものころ東京の芸者置屋に300円の前借金で売られ、「菊丸」という名で芸者をしていた山内馨子さんは、置屋の借金を軍が肩代わりしてくれると聞いて「慰安婦」になることを決め、1942年3月、「トラック島」に渡っています。
彼女の借金は4000円に上っており、返済の見込みがなかったからです。「死んだら靖国神社に入れてもらえる」「お国のために役立てる」と考えたことも「慰安婦」徴集に応じた理由でした。
このように、芸妓・娼妓・酌婦だった女性たちが「慰安婦」になるケースがあったのです。ただし、ここで強調しておきたいことは、もともと「売春婦」だった女性が「慰安婦」になったからといって、性奴隷でないことにはならないということです。なぜなら、すでに述べたように、
戦前日本で売春をしていた女性たち、つまり娼妓・芸妓・酌婦自体が、本来ならば許されないはずである、廃業の自由のほとんどない性奴隷状態に置かれていたからです。
廃業できる見込みのない状態に置かれ、世間からさげすまれていた彼女たちから見れば、その状態から抜け出すために、
軍が借金を肩代わりしてくれる、「お国のために役立てる」という条件は魅力的に映ったことでしょう。実際には
彼女たちは死んでも靖国神社には入れてもらえず、生きて帰って来ることができても「慰安婦」だった過去がわかると世間からさげすまれ、苦難の戦後を送らざるを得ませんでした。つまり、日本軍やその命令を受けた業者たちは、
彼女たちの苦しい境遇につけこんで日本軍「慰安婦」に動員し、いいように利用したあげくに捨てたのです。
このように、日本軍「慰安婦」制度は公娼制度とは別物ですが、性奴隷制度という点で関係があったのです。したがって、私たちは
「「慰安婦」=「公娼」だから性奴隷ではない」と言っている人々の無知と人権意識の低さを問題にしてゆかなければなりません。
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下、「慰安婦問題」資料サイト。「日本人慰安婦」、「遊郭制度」についても。
公文書などのコピーはこのサイトにあります。
「慰安婦問題」の全貌と真実がわかる映画「ロラたちに正義を」「終わらない戦争」は名古屋YWCA内「旧日本軍被害者を支える会」と大阪 市民共同オフィス内SORA、「慰安婦」関西ネットワーク が貸し出しをしています。
謝罪の仕方。
https://ameblo.jp/file9zyo/entry-12378611131.html
示談金や賠償金は被害者の権利。あなたでも。
https://ameblo.jp/file9zyo/entry-12377089490.html
「強制連行はなかった」?ちがうよ。「強制連行の証拠はない」?ちがうよ!
慰安婦「強制連行」の証拠(史料)なんて、たくさんあるのだという話
1996年に出された国連人権委員会特別報告者ラディカクマラスワミさんによる「クマラスワミ報告」50pくらいですから。日本語訳はこちら
→http://www.awf.or.jp/pdf/0031.pdf
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「性暴力加害者は勝ち続けている。」加害者は他人のせいにし、被害者は自分を責める。
https://note.mu/ogawatamaka/n/n931e8e9f3c0b
強姦神話とは。。。
http://ameblo.jp/file9zyo/entry-12282188634.html
ACサバイバーやDV被害者へのセカンドレイプ
https://ameblo.jp/file9zyo/entry-12303096816.html
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AV女優や元AV女優の差別被害、いやがらせ被害相談。
PAPSのホームページ(https://paps-jp.org/)
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