『新書ワル2 挑戦篇』 | 続・功夫電影専科

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「新書ワル2 挑戦篇」
「新書ワル Vol.2 挑戦篇」
製作:1993年

▼本作は当ブログでもすっかりお馴染みとなった、真樹日佐夫原作の劇画作品を実写化したVシネシリーズの第2弾です(前作の感想はこちら、『ワル』シリーズについてはこちらを参照のこと)。
木剣使いでワルの異名を持つ侠客・氷室洋二(白竜)が、古巣の道場をヒロインの飯島直子とともに飛び出し、巨大組織・大日本新宿同盟に戦いを挑む!というのが本シリーズの粗筋。前作で支部を壊滅させた2人が、今回から総本部へ殴り込みをかけていきます。
キャストは刑事の望月太郎を始めとした続投組に加え、ナイフ投げの名手・ジョニー大倉と柔道の達人・菅田俊が参戦し、より激しい戦いが勃発していくのですが…。

■大日本新宿同盟の鷹ノ台進出を阻止した白竜と飯島は、ついに総本部のある新宿歌舞伎町へと上陸した。しかし総本部の元には、靖国興行・青梅組・甲州会・明治一家という四つの傘下組織が存在しており、一筋縄でいく相手ではない。
その一方で、同盟は台湾マフィアとも対立関係にあり、一触即発の状況にあった。そんな中で白竜は、両親を靖国興行によって殺された青年・根岸大介と協力し、何故か同盟ではなく台湾マフィアへの襲撃を繰り返していく。
 彼の目的は、台湾マフィアを焚き付けて同盟への襲撃を計画させ、警察を動かすことだった。警察が襲撃阻止のために総本部へ警備を置けば、同盟は派手に動けなくなる。そこを一気に叩こうとしたのだ。
これに対抗して靖国興行はジョニーを雇い入れるが、自慢のナイフも白竜の敵ではない。ジョニーをあっさり倒した彼は、続いて飯島を敵陣に潜入させようとするが、根岸が先走ったことで問題が発生する。
 やむなく白竜は標的を総本部から靖国興行に変更し、組長の松居千佳から根岸の両親殺しの詳細を吐かせた。そして白竜のバックアップのもと、根岸は靖国興行と対決して本懐を遂げるのであった。
かくして両親殺しの真相は白日のもとに晒され、松居の逮捕によって靖国興行は壊滅同然の状態となる。だが、今度は松居に仕えていた代貸し・菅田が最後の勝負を仕掛けてきた!

▲なんとなく前作はあやふやな印象を受けましたが、本作は様々な思惑が交錯するスリリングな作品となっていました。巨大組織を手玉に取り、ひたすら我が道を行く白竜の姿には、凄さを通り越して畏怖の念すら感じます。
そして白竜の本妻・大場久美子と飯島の関係(大場の笑顔が怖い!)、やや唐突ながらも意外な正体を見せる菅田など、サブストーリーも充実。残る傘下組織も曲者揃いのようで、今後の活躍を期待させます。
 さて格闘シーンの評価ですが、こちらは何故か長ったらしいスロー処理や不自然な早回しが使用されており、アクションから迫力が削がれています。この欠点が最も災いしたのがラストの白竜VS菅田で、余計な演出によって冗長さを感じてしまいました。
剣と柔道の変則マッチというユニークな対決なのに、このような結果となってしまったのは残念至極。台湾マフィアのザコ戦(相手がヌンチャクや青竜刀を使用)とかは良かったので、次回はもっとスッキリとした格闘アクションに仕上がっていることを祈りたいです。
ところで本作のエンドテロップに横山誠という名前がありましたが、これってAAC STUNTSの横山誠氏のことだったりするんでしょうか?どこに出ていたのかも含めて、ヒジョーに気になります。