『新書ワル3 激情篇』 | 続・功夫電影専科

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「新書ワル3 激情篇」
「新書ワル Vol.3 激情篇」
製作:1993年

●巨大組織・大日本新宿同盟に真っ向から勝負を挑んだ氷室洋二(白竜)は、同盟総本部の向かいにあるビルに道場を構えていた。いまだ警察によって身動きの取れない総本部は、白竜を倒すために元極左グループの刺客・SABUを召喚する。
だがこの男がとんでもない曲者であった。SABUは白竜との勝負を邪魔する者は誰であろうと容赦せず、遂には勝手に刺客を送り込んでくる総本部と対立。一時休戦した彼は、白竜とともに傘下組織を次々と潰していく。
 この極悪コンビを止められる者は誰もおらず、青梅組・甲州会・明治一家の三組織はまたたく間に壊滅する。総本部を仕切る新海丈夫は2人に賞金を賭けて仕留めようとしたが、SABUの撃ったバーズカ砲(!)であえなく爆死するのだった。
まるで生き急ぐかのように無茶な行動を繰り返すSABU。そんな彼と白竜は、ついに雌雄を決する時を迎えるのだが…?

 『新書ワル』も今回で第3作となりますが、今回は監督を『カオルちゃん最強伝説』の宮坂武志が担当しています。どうやら本作が宮坂の監督デビュー作のようですが、その内容は…まるで強烈な劇薬のような作品と化していました(爆
とにかく本作で深い印象を残しているのが、白竜の対抗馬を演じるSABUです。常にギラついた眼をしていて、自分の命を紙切れのように扱うさまはクレイジーそのもの。挙句の果てにはケジメをつけるためと言って、自らの小指を食いちぎったりします。
 SABUの行動は先を読ませず、主役のはずの白竜も完全に食われるという凄まじさ。ラストで「彼は白竜に踊らされていたに過ぎなかった」と言われますが、どう見ても白竜が振り回されていたようにしか見えません。
彼以外にも本作はエキセントリックな人物が多く、刺客にいたっては忍者軍団や死人のような患者と看護婦など、尋常ならざる様子のキャラばかり登場します。これって原作にも出てくるキャラなんでしょうか?(当方は原作未読です)

 ちなみにアクション指導を原作者の真樹日佐夫が、武術指導を東郷秀信(斬心塾の主宰者である東郷氏?)が担当。前作でネックだったスローや早回しは抑えられ、上記の狂ったキャラたちによる戦いはテンションの高いものとなっています。
残念なのはSABUの武器がムチだったこと。あくまで個人的な見解ですが、ムチは九節鞭などと違って手首だけで操っている感があり、使い手自身の動きがそれほど派手ではないため、アクション映画においては剣や棍棒を用いる時よりも地味に見えてしまいます。
 そのため、実際に闘ってみると味気なく感じることが多く、本作で繰り広げられる白竜とSABUの戦いも少々盛り上がりに欠けていました。2人の動作自体は悪くないのですが…う~ん。
話としては傘下組織や総本部があらかた片付き、大ボスである高松英郎が登場するなど山場を迎えつつある本シリーズ。次作の『新書ワル4 決着篇』も宮坂監督が受け持っているそうなので、心の準備をしっかりしたうえで視聴したいと思います(笑