『実録ヒットマン 北海の虎.望郷』 | 続・功夫電影専科

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「実録ヒットマン 北海の虎.望郷」
製作:2003年

●これまで当ブログでは多数のヤクザ系Vシネマを紹介してきましたが、本作は仁侠映画の老舗・東映の劇場公開作品です。製作には全日本プロレスが絡んでいて、あの武藤敬司と小島聡が重要な役どころで出演しているのがミソ。『新・ピィナッツ』や『血染めの代紋』のように、プロレスラーの無駄遣いでは終わっていません。
主演は本作が映画初主演となる誠直也で(あれ?『秘密戦隊ゴレンジャー 爆弾ハリケーン』は?)、その妻に夏樹陽子、彼を慕う若頭に石原良純が出演。ロケーションなども凝っており、それなりに予算が掛かっている様子がうかがえます。

 物語は「引退した侠客が昔の敵に目を付けられ、身内に危害が及んだことで遂に立ち上がる」というド直球なものですが、本作が優れているのは細かな描写の積み重ねにあります。誠がムショから出所し、10年ぶりに家族と食卓を囲み、漁師に再就職して…といった具合に、各登場人物の動きを丹念に描いているのです。
たとえ直球なストーリーであっても、ディテールに凝ることで作品に深みを持たせることが出来ます。本作はそれに成功しており、後半にかけて押し寄せる悲惨な展開をより引き立たせていました。話にあまり捻りがなく、石原の死に様が投げやりだったりと粗もありますが、全体的なクオリティは高いと言えるでしょう。

 さて注目の武藤と小島ですが、彼らのアクションはラストバトルだけに限定されています。武藤は誠の友人役で、敵対する白竜の組とつるんでいたロシアンマフィアと対決。素手でドスに立ち向かい、銃弾を5~6発くらい喰らっても平気で闘うという化け物っぷりを見せていました(笑
しかし彼にはこれといったタイマン勝負がありません。その代わり、ロシアンマフィアの用心棒に扮する小島が誠と激突し、白熱の勝負を繰り広げます。最後に白竜と相対し、身を削るような戦いっぷりを見せる誠の勇姿も含め、この最終決戦はとても熱いものに仕上がっています。
この他にも、娘の恋人の父親役で宮内洋アオレンジャー!)がひょっこり登場したりと、とてもバラエティに富んだ内容になっている本作。ただしR15指定(流血シーンが多め)の作品なので、これから視聴しようと思っている方はご注意を。