
「ヒート HEAT」
原題:黒色城市/色城市/黒道/日本版
英題:Black City/City of Darkness
製作:1999年
●久々に甄子丹(ドニー・イェン)が見たくなって視聴した作品ですが、これってもしかして『衝破死亡遊戲』のついでに撮ったんでしょうか?メインのキャストが『衝破死亡遊戲』とかなり被ってるし、どっちも林萬掌が関わっているし…。なお、本作の主演は甄子丹とされていますが、実際は陳子強と左孝虎のカンフーキッドコンビが本当の主役であり、甄子丹はゲスト出演程度の出番しか無かったりします。
内容の方はかなり単調で、謎に包まれた財宝を巡って少年たちがマフィアに追われるという、吹けば飛ぶよな薄っぺらいストーリーが繰り広げられています。監督は武術指導家の林萬掌が担当していて、彼は『カンフー・キッド/好小子』の後期作品のメガホンを撮った経験もある人ですが、本作の出来はそれほど喜ばしい物ではありません。
ただし、作中で見せる功夫アクションのレベルはとにかく高いです。なにしろ敵のボスに倪星(コリン・チョウ)、幹部に林萬掌の助手である張藝騰、組織の雇った殺し屋に周比利(ビリー・チョウ)とキム・マリーペンが揃い、どこを切っても激しいバトルのオンパレードとなっているのです。
甄子丹不在時のパートは李羅という知らない俳優さん(でも動きはいい)が務め、当然の事ながら『カンフー・キッド』でも見せた痛いスタントもそこかしこで炸裂しています。最後の甄子丹VS倪星と陳子強&左孝虎VS張藝騰の大乱戦も意外と面白く、最後の結末こそ納得がいかなかったものの、充分良いバトルで健闘してみせています。
しかし、やはりどうしても物語のスカスカさが気になって仕方がありません。他の林萬掌作品がどんなものか知らないので大きいことは言えないんですが、本作を見る限りでは「林萬掌は武術指導だけに徹して欲しいなぁ…」と思ってしまいました。
ところでエンドテロップを見ていて仰天したんですが、本作のどこかに張徹(チャン・ツェー)組出身の程天賜が出ているらしいのです。程天賜は『少林拳対五遁忍術』などに出演した功夫スターですが、80年代における香港映画界の近代化に着いていけず、いつしかフェードアウトしてしまった悲劇の実力者でした。もし本当に程天賜が出ているなら、本作は彼の出演した最後の映画ということになるのですが…さて?