『レディ・ウェポン』(マグニフィセント・ミミ主演作) | 続・功夫電影専科

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「レディ・ウェポン」
原題:PUSHED TO THE LIMIT
製作:1991年

●本作はモノホンのアメリカ女子プロレスラー、マグニフィセント・ミミが主演した作品である。マーシャルアーツ映画でプロレスラーというと、どうしてもノロノロとした動きの木偶の坊ばっかり想像しがちだが、本作でミミが見せる動作は結構なものだ。流石にシンシア・ラスロック並み…とまではいかないが、それなりにスピーディーな動きを披露してくれている。
主人公のミミは全米女子プロレスリングのチャンピオン(つまりほとんどミミまんまの役)。旦那や家族に囲まれ、仕事でも充実した生活を送っていた。そんなある日、遠征先のラスベガスで不肖の弟が殺されたという話が飛び込んできた。曰く、ミミの弟は麻薬密売人のヘンリー・ハヤシとその一味の手によって始末されたというのだ。
復讐を誓ったミミは、ヘンリーが催している闇の格闘トーナメントに出場し、奴の懐へ飛び込もうと画策した。そこで武道の師匠であるベラル・リードの元に弟子入りし、彼のつてによってトーナメントへと参戦を果たす。しかしヘンリーはミミの動向と目的に気付き、出場していたミミの親友を無残にも殺害たらしめてしまう。ミミは親友を殺した女子チャンプと相対し、同時に潜入して捕まっていたベラルもヘンリーの元へと迫るのだった…。
アクション事態に関してはそれほど悪く無い。プロレス技を交えた殺陣はそれなりに派手だし、登場するファイターたちもみんなバリバリ動いているが、そんな本作で珍しかったのは女性同士のファイトがあったという点だ。
香港映画では女性同士のバトルは珍しくも無いが、意外なことにマーシャルアーツ映画でこういった対戦を見かけることは少ない。女性メインの作品でも相手が屈強な男だったりする事が多く、女性VS女性というカードはなかなか見られないのだ。その点、本作はラストで闘う相手も西脇美智子みたいなマッチョ女なので、女闘美アクションという観点からは十二分に良い仕上がりを見せてるといえる(その代わり、ラスボスのヘンリーが完全にザコだったりとアラはあるが…)。
だがこの作品、カメラワークが非常にチープであるという問題を抱えている。私が特に気になったのが、先述した女チャンプの試合の場面だ。ここでミミは初めて女チャンプの凄惨なファイトスタイルを目にするのだが、肝心な止めを刺す場面で思いっきり観客の後頭部が被ってしまい、女チャンプが何をしたのか解らなくなっているのだ(!)。視聴者に対しても女チャンプの強大さを魅せるための場面であるはずなのに、いくらなんでもこれは杜撰過ぎる。
他にも、中盤の試合で選手のツバがレンズに付着したままになっていたりと、もうちょっとしっかり撮ってくれと言いたくなるようなカットが多い。普通のアクションシーンにしても単調な撮り方ばっかりだったし、少しぐらいカメラワークに変化を持たせてくれればよかったのだが…。