『ファイナルファイター』 | 続・功夫電影専科

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「ファイナルファイター」
制作:1994年

●「裏社会の闘技場」というものは、マーシャルアーツ映画というジャンルでは比較的ポピュラーな題材でした。この事は以前も触れた通りですが、勿論日本にもそういった作品はいくつか存在します。代表的なところではケイン・コスギの『マッスルヒート』があり、本作もその系統に属する格闘映画です(Vシネだけど)。

 主人公の松田優はヤクザの用心棒。喧嘩なら誰にも負けない実力者だが、あるとき裏ファイトの話を持ちかけられた。喧嘩が大好きな彼はこれを快諾するが、謎の女・西尾悦子に「己の腕に過信するな」と忠告を受けた。彼女の言葉は現実のものとなり、松田は対戦相手の王者・須藤正裕に大敗を喫してしまう。初めて敗北を味わった彼は再び西尾と出会い、塩谷庄吾から須藤によって彼女の兄が再起不能にされた事を聞かされた。
かくして、紆余曲折の末に奮起した松田は、喧嘩道場と呼ばれる施設で骨法のトレーニングを開始。途中で塩谷が須藤に敗れるという一幕を挟み、西尾との仲も親密になってるようななってないような展開を辿りつつも、最終的に松田は須藤との最終対決に挑戦する!

 粗筋を見ても解るように、本作は和製『キックボクサー』を目指した作品となっています。言うなれば須藤はトン・ポーの役どころに相当し、トン・ポーと同様にヒロインを襲うシーンもあります(ビートきよしは李家鼎?)。このほかに松田が開脚しながら修業する場面などを見ても、本作が『キックボクサー』を非常に意識している様子が見て取れます。
ちなみに『キックボクサー』でヴァンダム1人が担当していた復讐の目的が、本作では松田(宿敵へのリベンジ)と西尾(兄の仇討ち)にそれぞれ振り当てられています。そのため、松田が再び立ち上がって闘志を取り戻すまで、随分と時間を要することになってしまうんですが、これはちょっと惜しい気がしました。
 なお、本作はあの『拳鬼』を製作した監督・廣西眞人とアクション指導・阿部光男の手による作品でもあり、格闘シーンや物語の出来は『拳鬼』よりパワーアップしています。特に骨法を用いた格闘アクションは見栄えがあり、松田VS安岡力也という新旧筋肉スター同士のバトルなんかも見ることができます(それにしても暑苦しい顔合わせだ・笑)。
そしてラストの松田VS須藤ですが、どちらかというと須藤はトン・ポーというより李元覇(コナン・リー)に近い顔立ちであるため、鬼気迫るインパクトは感じられません。しかし、互いに魂をぶつけ合うようなバトルが異様な生々しさを生んでおり、老齢の石橋雅史を起用して中途半端になってしまった『拳鬼』よりも、正直言ってこちらの方が迫力のあるバトルになっていました。
それにしても、映画の最後にキスシーンで終幕するパターンはよく見るけど、「キスするか?」って事前に聞くキスシーンなんて初めて見たなぁ(爆