
「ファイアーイーグル」
原題:OPEN FIRE
制作:1994年
▼『アンダーカバー』『アンダーカバー/炎の復讐』『マーシャルコップ』『バウンティ・ハンター/死の報酬』と、傑作マーシャルアーツ映画をいくつも排出してきたカート・アンダーソン監督。そんな彼が、お馴染み主演のジェフ・ウィンコット&スタント指導ジェフ・プルートと共に製作したものの、これまで特に取り上げられる機会の少なかった作品が本作だ。
それというのも、本作のジャケがとてもマーシャルアーツ映画に見えない(どちらかというと戦争アクション風のパッケージ)事が少なからず影響しているものと思われる。しかし『ストリート・クライム』や『ファイヤー・パワー』みたいな前例もあるし、ジェフ・プルートが関わっているのならあまり心配する事もないと思いレンタルしてみたのだが…?
■作品自体はよくある『ダイ・ハード』タイプの作品である。
先走った行動の末に相棒を死なせた過去を持つ元FBI捜査官のジェフは、今は薬品工場のおっさんの元で静かに働いていた。ところが武装したテロリストグループが工場を乗っ取り、テログループのリーダーを釈放せよと要求を突きつけてきたのだ。事件当時バーにいたジェフは、役立たずのFBI連中を尻目に1人で工場に潜入。内部では工員やおっさんらを人質に取ったテログループが、神経ガスを精製したり爆弾を仕掛けていたりするのを目の当たりにする。
難を逃れていたヒロインと合流したジェフだが、一方で要求を呑んだ警察によってリーダーのパトリック・キルパトリックが釈放され、新たにダイヤの原石を持ってくるよう要求を受けていた。二重三重に計略を重ねていたテログループは、ヒロインとおっさんを人質にヘリでの国外逃亡を目論む。連中はまんまと警察の目から逃れるが、そうはジェフが許さない。荒野に佇む廃墟を舞台に、ジェフとパトリックたちテログループとの最後の死闘が始まる!
▲『ダイ・ハード』同様に限定されたシチュエーションを舞台にした本作は、テログループが工場から脱出するまでは中々面白い。物語の展開はありきたりなのだが、所々にユーモアを含んだ演出を取っており、それなりには楽しめるのだ。ただし工場から出た途端にペースがガックリと落ち込んでしまい、その後の展開も尻すぼみになってしまったのは残念だ。
ただし、格闘アクションについてはジェフ・プルートが関わっているだけあってか、意外と激しいバトルが多い。本作で敵となるテログループは10人ほどいるのだが、そのうち7人ぐらいは素手での勝負に持ち込まれている。敵の中には意外と鋭い蹴りを放つ奴もいたりして、ここらへんの攻防戦は面白いのだ(ちなみにテログループのメンバーにはスタントマンのレオ・リーもいるのだが、彼が活躍する格闘アクションはあまり無いです)。
最後はもちろんジェフVSパトリックの対決で、こちらも格闘アクションの出来はすこぶる良い。特にジェフがパトリックを殴った際のアクションがまんま『ポリスストーリー』(馮克安にジャッキーが殴られてガラスにぶち当たる例のアレ)だったのには思わずニヤリ。本作に坂本浩一は加わってはいないはずなのだが、このラストバトルには『皇家戦士』っぽいカットもあったりしたので、もしかするとジェフ・プルートの趣味だったりして…(笑