特集・50Movies(01)『実録・香港マフィア戦争/四大天王』 | 続・功夫電影専科

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「実録・香港マフィア戦争/四大天王」
「四大天王~実録・香港マフィア戦争~」
原題:四大天王
英題:Four Robbers
製作:1987年

●(※…画像は本作を収録したDVDパックのものです)
本作は『Martial Arts 50 Movie Pack』(久々!)に収録されている作品の中では比較的新しいものだが、本来ならここで紹介するはずの無い作品であった。
功夫片じゃなくて警匪片であるという点、出演者にあまり馴染みの顔がいない点などがスルーをした理由であり、レビューを書く予定すら無い作品だったのだ。そんな作品をどうしてわざわざ紹介するのかというと、実はこのたび『Martial Arts 50 Movie Pack』の完全制覇に向け、こういった作品も紹介していこうと思い立ったからなのである。とはいえ、流石に『ブラック・コブラ』のような完全に当ブログとは関係の無い作品はスルーしていくつもりなので、予めご了承をば…。
李榮山・劉俊輝・呉杭生・石漢の4人は強盗グループ。宝石店を襲撃したり悪党にケンカを売ったりと暴れまわるが、方野(ちょっと太り気味)や曹査理の組織と対立する事になる。そこに華倫と大細眼(本作では武術指導も担当)ら警察も絡み、裏の世界を突き進む4人だが…という、ありきたりな黒社会抗争モノの1本である。
本作で凄いのは主役の4人を筆頭に、誰一人として華のある役者がいないという点だ(事実上の主役となる李榮山でさえ、お世辞にも魅力的とは言えない)。
呉杭生や江島、谷峰(クー・フェン)などの知っている顔こそいるが、作品の照明となるべきスターの存在が欠落しており、とてもじゃないがこれは見ていてかなりキツいものがある。特にショックだったのが華倫で、千葉真一の『ゴルゴ13』で見せたニヒルさは何処へやら…なんと本作では完全に中年太りのオヤジと化しているのだ。彼の映画出演は本作が最後だったようだが、いくら末期だったとしてもコレはなぁ…。
物語は後半から舞台がタイへと移るが、その後も観光や裏切りなどのヒネリの無い物語が淡々と続いていく。その潤いと新鮮味のない描写は90年代のVシネマを思わせるが、正直言ってつまらないの一言に尽きる。ラストでは死闘の果てに救い様のない破滅エンドが待ち構えているが、悲壮感やカタルシスは皆無。ついでに後味の悪ささえも感じられなかった。
破滅への物語といえば張徹作品でも取り上げられているテーマだが、本作の場合はキャラクターの描写が曖昧だったりとスカスカで、アクションシーンも数が少ないうえに迫力の無い銃撃戦がメイン。功夫アクションを期待していると思いっきり肩透かしを食らう結果となるので、『Martial Arts 50 Movie Pack』を購入しようと思っている人は本作をスルーしても何ら心配はないかと思われます。
目くじらを立てるほど酷くはないが、別段良くもない並の作品。こんな地味な映画がどうして日本で発売されたのかが気になるところである(業者が騙されて二束三文で掴まされたのか?)。