『BACK FIRE/強制奪還』 | 続・功夫電影専科

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「BACK FIRE/強制奪還」
製作:2006年

●やくざ者だった過去を持つ大和武士は、現在は車の修理工として息子と静かに暮らしていた。そんな彼の元に、堀田眞三の組に押し入って強盗未遂を働き、逃亡中の松田優と風間貢が現れる。大和がただ者でない事を知った2人は、彼の息子とたまたま立ち寄っていた夏目ナナを人質に取り、堀田の組から金を取って来いとの要求を突きつけた。
やむなく大和は組へ殴りこんで金を強奪するが、一方で松田たちを捜索していた組員が彼らを襲撃。大和は居場所を移動した松田の指示に従うが、どのみちこのままでは終われない。一計を案じた大和・金を待つ松田たち・そして組や警察を巻き込んだ事件は、意外なクライマックスを迎えつつあった…。

 珍しく最近のVシネを取り上げますが、色々とツッコミどころの多い作品となっています。ストーリーはVシネ系アクション作品でよくあるパターンですが、その内容はかなりスカスカ。画面はチープで演出も間延びしているため、まったくと言っていいほど緊張感がありません。尺は69分と短いものの、ダラダラした物語のせいでそれ以上に感じてしまいました。
クライマックスになっても盛り上がらず、最大の敵であるはずの松田優が簡単に撃ち殺されるなど、未整理な部分ばかりが目に付きます。ラストでは銃撃戦が発生しますが、本来なら全ての勢力が一堂に会して大混戦にしたほうが面白そうなのに、本作では何故か個々の決着をバラバラに描いてしまっています(主役不在のまま別勢力が潰しあったり等々)。この崩壊っぷりは話のオチまで続くんですが、もう少しどうにかならなかったのかなぁ…。
 そんな四面楚歌な本作で、一番の見どころは松田優のアクションにあります。松田は作中で最も良い動きを見せており、冒頭で組員数人を蹴散らすシーンなど迫力のファイトを展開!この松田と大和という大柄な2人が対決するラストバトルも、時間こそ短いものの完成度においては及第点以上のものを見せていました。
暴力的な描写・視聴者おいてけぼりのPV風な演出などが影響し、人に勧められるような作品ではない本作。大和VS松田の一戦にどれだけ価値を見いだせるかで、この作品の真価は問われるものと思われます。