『サンダーホーク/死霊伝説の謎』 | 続・功夫電影専科

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香港映画を始めとした古今東西のアクション映画の感想などを書き連ねています。


「サンダーホーク/死霊伝説の謎」
原題:SCORPION THUNDERBOLT
製作:1986年

●これまで当ブログでは"最低最悪の映画会社"フィルマークとIFDの作品を幾度と無く紹介してきた。
AN ASSO ASIA FILM(通用)の作品も含めると、『忍者VS阿羅漢』『秘法・睡拳』『少林寺の復讐』『烏龍教一』『師兄師弟』『碧血[ン先]銀槍』『梅花螳螂』『Deadly Shaolin Longfist』『少林寺厨房長』『帰って来た少林寺厨房長』のような正統派なものから、『復活!死亡遊戯』『鷹拳』『地獄十二關門』『一笑一拳』『雑家高手』『黒豹飛客』『雷拳』『クローン人間ブルース・リー』『龍拳蛇手』といったバッタもん李小龍作品、『ニンジャファイター』『Ninja Empire』『Ninja Champion』『Zombie vs Ninja』『忍者プロテクター』『ニューヨーク市警特別捜査官/スーパー・ニンジャ』『地獄のニンジャ軍団・クノイチ部隊』『レディ・ニンジャ/セクシー武芸帳』などのインチキ忍者映画、果ては『アマゾネス・コマンドー』などをレビューしている。

我ながら、よくこれだけのフィルマーク&IFD作品を乗り越えてこれたものだと感心するが(爆)、これらの作品は3つのタイプに分別する事が出来る。1つ目はフィルマーク&IFDが勝手に自社名義に変えただけで、実際は関わっていない作品。2つ目はフィルマーク&IFDが製作した純正の作品。3つ目は我々がよく知る、単なるニコイチ映画だ。
例えば『忍者VS阿羅漢』のような羅鋭(アレクサンダー・ルー)系列や、『秘法・睡拳』『碧血[ン先]銀槍』なんかは、明らかに他社の作品を勝手に自社名義にしただけのもの。調べてみると、『アマゾネス・コマンドー』『地獄のニンジャ軍団・クノイチ部隊』『レディ・ニンジャ/セクシー武芸帳』もフィルマーク&IFD作品では無さそうだ。こうして見てみると、『少林寺厨房長』『師兄師弟』『地獄十二關門』なども本当にフィルマーク&IFD作品なのか疑わしくなってくるが、これらの作品が1つ目のタイプに当てはまる。
2つ目のタイプはちょっと定義が曖昧なのだが、『雑家高手』『復活!死亡遊戯』は確実に連中の手によるもので間違いないはず。残る3つ目についてだが、これは今更説明するまでも無いだろう。今回はそんな分類の中では3つ目に該当する作品で、文字通りの狂った作品と化している。物語はお馴染みのニコイチではあるものの、元ネタ自体が既にカオスの領域を踏み越えており、そんな作品を更に切り刻んでいるからどれだけの地獄絵図になっているかは想像に難しくない筈だ(萎

まずは元ネタの作品のストーリー(推測)から…。
香港で女性を狙った猟奇連続殺人事件が頻発する。その事件を追う刑事は、捜査の過程でひとりの美人記者と出会った。次第に関係を深めていく2人だが、実はこの美人記者は蛇と人間の間に産まれた蛇人間だったのだ(おいおい…)。蛇使いが吹く笛の音を聞くと彼女は血に飢えた蛇の怪物に変化し、夜な夜な街に繰り出しては殺人を繰り返していたのだ。
必死に彼女を助けようと奔走する刑事の努力もむなしく、蛇の怪物に変身した美人記者は警官隊に襲いかかり、銃弾の雨の中に崩れ去るのだった…と、物語は悲劇的な結末を向かえる。しかし、作品の核となる蛇の怪物が怪獣みたいな着ぐるみなので、雰囲気はまるで円谷特撮の世界。作っている方はホラーのつもりなのだろうが、これじゃあアダルトな『ウルトラQ』である(笑
で、この蛇の怪物が暴れる要因となる蛇使いの笛を、追加撮影ではさそりの女王という悪役が仕向けているように補足。さそりの女王を封じるための指輪をたまたま持っていたリチャード・ハリソンが、女王の手下たちと戦っていく物語が挟まれる(当然ながら本編とは全く絡まない)。最後は敵の根城(ただし番兵はたった2人)にハリソンが攻め入り、さそりの女王がバルサンを炊かれたゴキブリのように情けなく死んでいく姿で幕となるのだが、元ネタのインパクトが強すぎたせいで全く印象には残らなかった。
むしろ個人的に気になったのは、追加部分に出演しているある人物に関してだ。
物語中盤、ハリソンに剣で襲いかかる刺客が出てくるが、この刺客を演じているのは何と李發源ではないか!李發源は大量の作品で絡み役として活動していた人。その行動範囲はかなり広く、ジャッキー・呉思遠・劉家良・孫仲・サモハン・ジミー先生の諸作品に出演。ショウブラ・ハーベスト・協利と、派閥やプロダクションの垣根を越えて様々な作品に出まくっている(ただし絡み役ばっかりだが)。
しかし、ちょっと前に『梅花螳螂』で韓国に出稼ぎ出演した姿を見たばかりだというのに、まさかこんなニコイチ映画にまで顔を出していたとは…こういうサプライズがあるから、ニコイチ映画といえども油断は出来ません(作品の出来は別にして)。