『男組』 | 続・功夫電影専科

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「男組」
製作:1998年

●本作は漫画界でも屈指の猛者・池上遼一&雁屋哲コンビによって描かれた不良漫画の実写版作品です。過去にも舘ひろしを主演に添えて2本の映画が作られていますが、Vシネとして映像化されたのは本作が初にして唯一だったりします。
なお、本作の生みの親である雁屋哲は『美味しんぼ』の原作者としても有名ですが、一方で『野望の王国』などを手掛けたバイオレンス漫画の巨匠でもありました。私も『野望の王国』は大好きなのですが(笑)この『男組』でも雁屋節は炸裂!『コータローまかりとおる!』『押忍!空手部』などの学園アクションとは一線を画す、異質な作品に仕上がっています。

 服役囚の川本淳一は、ある裏取引を刑務所署長・哀川翔から持ちかけられた。彼曰く、「私立青雲学園で猛威を振るっている不良軍団を一掃すれば仮釈放させてやる」というものだった。最初は乗り気でなかった川本だったが、圧倒的な暴力で学園を牛耳る金井茂(『電磁戦隊メガレンジャー』のメガシルバー!)の存在を知り、特待生として学園に足を踏み入れていく。
しかし彼を待ちうけていたのは、屈強な四天王や用心棒の中国拳法の使い手といった、名だたる刺客たちであった…。

 本作の主人公は中国拳法の達人という設定で、主演の川本は激しいアクションを演じています。ルックスはそれほどパッとしないものの、冒頭の演舞シーンや随所で見せる格闘アクションなどは迫力満点でした。一方、宿敵として登場する金井も凄味たっぷりに悪役を演じていますが、見せ場となるようなシーンが乏しかったせいで存在感が薄れてしまっています。
サブキャストでは、四天王の一番手を演じた松田優の存在が強烈な印象を残しています。松田は何度も川本に立ちはだかりますが、次第に従うだけの犬でしかない自分の姿に疑問を感じ、最終的には川本を助ける…というおいしいキャラを熱演。他の四天王がザコ同然だったこともあってか、主人公以外のキャラクターの中では最も目立っていました。
 この他にも、脇役ながらキレのいい動きを見せる川本の仲間たちや、ルックスに見合わない大立ち回りを演じる中国拳法の用心棒など、本作は全体的に殺陣のレベルが高い位置でキープされています(特に用心棒のアクションがスゴい!)。そんな中で一つだけ不満に思ったのは、ヒロインである柳明日香の演技がアレだったこと…ではなく、ラストのあまりにも中途半端な幕切れの仕方です。
クライマックスでいよいよ川本と金井が直接対決になるのですが、いざ決着!というところで本作は唐突に終わってしまいます。こういう引きは連続もののVシネによくあるパターンですが、やはり一本の作品として完結した上で幕を引いて欲しかったです…(本作のように一本こっきりで終わってしまった作品なら尚更そう思ってしまいます)。