
「新・桃太郎3/聖魔大戦」
鳳凰王子
Magic Warriors/Fenghuang Wangzi/Prince of Phoenix
1989
▼林小樓(リン・シャオロウ)のボーイッシュな魅力が存分に発揮された『新・桃太郎』は『キョシーズ』のヒットにあやかって日本に上陸し、それなりの成功を収めていた。これを見逃さなかったのが台湾で活動していた染野行雄だった。
かつて染野さんは『キョンシーズ』がヒットした際には『新・キョンシーズ』を製作したりと抜け目のないところを見せたが、本作は『新・桃太郎』と同様に林小樓を起用。オマケに様々なキャラクターを入り乱れさせたりするなど、怪作の様相を呈している。
■かつて対立関係にあった仙界と魔界。その2つの国を越えて一組のカップルが結ばれた(仙界の夫を演じるのは羅鋭)。カップルの間には子供も産まれたが、ロミオとジュリエットな2人の存在を仙界と魔界の者たちは許しはしなかった。ふとしたことからこの親子と知り合った林小樓は、仙界と魔界の刺客に襲われた羅鋭たちから子供を託され、逃避行を続ける。
魔界の常山が率いる四天王が背後に迫る中、旅の果てに林小樓は羅鋭の兄(羅鋭の二役)と出会う。羅鋭の兄は腕は立つが粗暴な性格の男。かつては羅鋭と共に魔王を倒そうと闘った男であり、林小樓は説得の末に彼の協力を仰ぐ事が出来た。魔王の復活が刻一刻と近付く中、林小樓たちは魔界の宮殿へと突入する!
▲本作の武術指導は、『新・キョンシーズ』と同じ羅鋭&李嗣興コンビによるもの。本家『新・桃太郎』と同様にワイヤーを多用したアクションを作り上げているが、気合が入りすぎたのかワイヤーだらけの殺陣になってしまい、アクションに収拾が付かなくなってしまっている。ちょっとしたジャンプをするのにもワイヤーを使う有様で、程小東とは違った意味でアクションに重さが感じられなくなっているのだ。
このほか林小樓はいつもの如くだが、実質的なボスキャラとして主人公たちを翻弄する常山の存在感はなかなかのもの。これで最後まで常山がボスなら良かったが、魔王(李嗣興)が思ったような活躍を見せてくれなかったのは残念だ(それまで一応は「地に足を付けて」闘っていたのに、李嗣興とのバトルでは完全に『ドラゴンボール』状態になっている)。
ストーリーは子供向けを想定しているため、『新・桃太郎』が楽しめる人でないと難しい内容だ。しかしいくら子供向けとはいえ、羅鋭が血の海に落ちて骨になったりするスプラッタ描写や、ラストの投げっぱなしっぷりは度を越えている。子供向けとはいえ、むやみやたらにはっちゃけていればいいってもんじゃないですよねぇ(爆