『ハードブロー』 | 続・功夫電影専科

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香港映画を始めとした古今東西のアクション映画の感想などを書き連ねています。


「ハードブロー」
原題:TO BE THE BEST
製作:1993年

●原題を見ると『ベスト・オブ・ザ・ベスト』のパクリっぽいタイトルだが、確かにそれっぽい内容のマーシャルアーツ映画である。
喧嘩っ早い青年マイケル・ワースは、兄のフィリップ・トロイらと共にキックボクサーのアメリカ代表団として、ラスベガスでトーナメントに参加することとなった。様々な強豪がひしめくこの大会の中で、マイケルたちの前に連続優勝を果たしているタイのチームが立ちはだかる。更に、悪党のアレックス・コードがマイケルの恋人であるブリタニー・パウエルを人質に八百長を要求。数々の思いが交錯する中、マイケルは決戦の舞台に立つが…。
『ベスト・オブ・ザ・ベスト』のようにチームを組ませ、マイケルとブリタニーの恋愛模様、タイのチームとの確執、黒社会からの揺さぶり等々…本作は多くの要素を欲張っているが、結局どれも簡潔に描ききれておらず、全てにおいて中途半端な作品になってしまっている。
まず、作中の舞台となるトーナメントのルールが不明瞭(チームで出場しているが団体戦というワケではないらしく、非常にゴチャゴチャしている)である事、タイのチームを悪役にしたいのかそうでないのか描き方がどっちつかずである事、アレックスの計画にアラが多すぎる事など、欠点を上げればキリが無いのだ。
そのしわ寄せがアクション面にも影響しており、そこそこイイ感じのキッキングバトルを繰り広げてはいるが、カメラワークが単調なのですぐに退屈してしまった。そんな中途半端だらけの本作で一番凄いアクションをしていたのはやはりこの男、スティーブ・ヴィンセント・リーだ。
『ブレード/妖剣伝説』でも見事なアクションを見せていたスティーブだが、本作ではタイのチーム最強の男としてマイケルを翻弄。優しい顔立ちのスティーブが強面な役というのはミスマッチな気もするが、作品に程良くスパイスを効かせている点は評価できるだろう。
だが、事実上のクライマックスであるマイケルVSスティーブのバトルの後もグダグダと戦いが続き、中途半端さを引きずったまま物語は幕を下ろすこととなる。こうも中途半端になるのであれば、ありきたりな内容になるけど、普通に悪の興行主と主人公たちのチームが闘うという話でも良かったと思うのだが…。