『忍者VS阿羅漢/遥かなる王道』 | 続・功夫電影専科

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「忍者VS阿羅漢/遥かなる王道」
少林與忍者
SHAOLIN VS. NINJA
1982

●本作は悪名高きフィルマーク社が製作した一本だが、あの張徹(チャン・チェ)監督の下で学んだ戴徹(ロバート・タイ)の手によってなかなかの本格功夫映画として昇華している。
その昔、中国の一部を占領下していた日本が横暴を働いていた(…って、忍者が存在している時代で秀吉の朝鮮侵略以外に外国に入植したって記録はないぞ?)。そこで羅鋭(アレクサンダー・ルー)をはじめとした少林寺の僧達が徐忠信(アラン・ツィ)をリーダー格とする日本の武僧(少林寺拳法じゃないらしい)と闘う。だがその戦いの裏で、日本の反乱を企む一派が暗躍していた。彼らは少林寺と日本の双方を仲違いさせようとしていたが、それに気付いた少林寺と日本の戦士たちそれぞれ7人が立ち上がる!
この映画、実質的な主人公は羅鋭ではなく少林寺の大僧正である。台湾ニンジャ映画はハチャメチャなニンジャやラマ僧などが登場し、ストーリーは二の次といった作風がよく見られる。しかし本作は例外で、日本の武僧たちの心理描写や第三者の敵が登場して相対していた中国と日本の戦士たちが共に闘うなど、日本人を単なる悪役と片付けていない点などが評価できる。
そして羅鋭系作品はいつも殺陣が高クオリティという話を聞いたことがあるが、まったくもってその通りであり、トビー・ラッセルが制作した功夫映画アンソロジー作品『死闘伝説』でも本作の一部シーンが登場している。ちなみに、あまり知られていないが同じく羅鋭主演の奇天烈映画『忍者大戦』の冒頭に挿入されている映画は本作である。まさか『忍者大戦』は『忍者VS阿羅漢』の続編だったのか!?
ところで、フィルマークといえば噂に聞くニコイチ映画であるが、本作にはその様子はまったく見受けられない。おそらく配給はフィルマークが請け負い、制作は別の台湾映画かどっかの製作会社が担当したものと思われる。レンタルビデオ店でホコリ被って隅っこに置いてあることが希にある(日本版ビデオは超レア)ので、見つけたら即ゲット。なかなかの秀作だ。