
「リゾート・トゥ・キル」
RESORT TO KILL
Immortal Combat
1993
●JACの長として活動してきた千葉真一は、後年になってくると様々な活動ぶりを見せてくる。JAC創立10周年を記念して製作された『リメインズ/美しき勇者たち』では監督デビューし、『エイセス/大空の誓い』でとうとうハリウッドへと羽ばたいていった。本作はその海外進出第2弾である。
共演にはモノホンのプロレスラーだったロディ・バイパーが控え、アクションスタッフはJACが海外出張。脇に当時のJAC若手だった塩谷庄吾も顔を見せている。
内容は悪の組織がカリブの民族に伝わる不死身の戦士の術を悪用しようとしてるので、バイパーと千葉ちゃんコンビが美女つれて組織壊滅に乗り出すというお話。
バイパー刑事は口が立つしアクションもそれなりにできるけど、プロレス上がりなので動きが遅いのが玉にキズ。一方の千葉ちゃんは無口で寡黙でアクションのキレは本作中一番の猛者(千葉チャンしか良い動きしてる俳優さんいない)だが、ある理由から銃を使えなくなった日系の中年刑事だ。ヘボい現地の俳優のアクションをカバーするが如く、本作の千葉ちゃんはかなり頑張っている。一端の刑事である千葉ちゃんがどうしてあんな忍者ルックを装備してたのかはご愛敬であはるが…(笑
しかし前回のレビュー末で触れたとおり、JACの衰退はそのまま日本映画界のアクション市場衰退へと繋がっていった。現在に至るも、その麻痺したような状態は続いている。
僅かに『あずみ』『どろろ』などのアイドル時代劇や、『マッスルヒート』といったものもあるが、それらはストーリーに難があったりヘナヘナなアクションで失笑を買ったりするものばかりだった。『修羅雪姫』には甄子丹(ドニー・イェン)が、『どろろ』には程小東(チン・シウトン)が武術指導として招かれ、『マッスルヒート』では盧惠光を香港から呼び寄せたりしてアクションに華を出そうとしたものの、唸るようなアクションが生まれなかったのは致命的だった。
特に、『マッスルヒート』でその実力の程を見せたケイン・コスギが『DOA/デッド・オア・アライブ』まで1つもアクション映画に出られなかった事から見ても、いかに日本のアクション映画界が勢いを失っているかが解る。もっとも、近年は香港映画界も不況なので仕方の無い感もあるが…。
そんな中で千葉ちゃんはVシネなどに活躍の舞台を移し、かつて自身が主演した作品の新章である『新・影の軍団』シリーズを展開している。流石にアクションレベルのグレードは全盛期だった80年代ごろの作品と比べるのは酷だが、そこそこのスケールを保っていた。
そんな彼に、同じく『黄龍イエロードラゴン』などで精力的にアクション映画に出演し続けている男との共演の話が持ち上がった。その男とはかつて『直撃!地獄拳』では共演し損なった事があり、ここに晩年の千葉真一における最大のアクション映画との出会いが待っていたのだった。