『マスター・オブ・リアル・カンフー/大地無限2』 | 続・功夫電影専科

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「マスター・オブ・リアル・カンフー/大地無限2」
「太極神拳」
原題:太極拳
英題:Tai Chi 2/Tai Chi Master 2
製作:1996年

▼今や『SPL/狼よ静かに死ね』などで、次世代の功夫スターとして注目されている呉京(ウー・ジン)。そんな彼のデビュー作がこの『大地無限2』ですが、当時は”ジャッキー・ウー”というバッタもんのような芸名を冠していました。
また、本作は袁和平(ユエン・ウーピン)が監督と武術指導を担当し、『少林寺』を製作した張[金金金]炎(チャン・シンイェン)が指揮を執っていたにも関わらず、全くと言っていいほどヒットに恵まれていません。李連杰が主演した『大地無限』の続編として作られた本作に、果たして何があったのでしょうか?

■太極拳の達人である父の于海(ユエ・ハイ)に監禁されて(!)育った呉京は、とっても過保護な胡慧中(シベール・フー)ママの影響もあって、非常にやんちゃな子として育った。ある日、ひょんな事から外に出た彼は鐘麗[糸是](クリスティ・チュン)と出会い、次第に心を惹かれていく。
実は彼女は役人の兄・錢小豪(チン・シウホウ)に内緒で、国家の民主化を訴えていた。ところが計春華によるアヘン密輸計画を知った呉京たちは、ダレン・シャラヴィら外国人の悪党に狙われてしまい…。

▲本作はとにかく安易な演出が目立ちます。西洋文化への傾倒やメッセージなどは明らかに『ワンチャイ』を意識しているし、胡慧中の役柄は『レジェンド・オブ・フラッシュ・ファイター』の蕭芳芳(ジョセフィーヌ・シャオ)そっくりに見えました。
肝心の物語も特にどうという事はなく、おまけに前作の『大地無限』とはまったく無関係のストーリーという始末。要するに本作はヒット作の続編とは名ばかりの、単に古装片ブームへ便乗するために作られた代物だったのです。
 功夫アクションは袁和平がタッチしているのでボチボチですが、こちらも他作品からの影響が露骨に見えます。特にラストバトルはシチュエーションから小道具に至るまで、完全に『ワンチャイ/天地黎明』の焼き増しとなっていました。
そんな中で注目すべきは外人ファイターのダレンの奮闘、あるいは冒頭の于海vs周比利(ビリー・チョウ)というマニアックな対決でしょうか。ちなみに今回の周比利はただの敵にあらず、ピンチの際にはライバルの呉京を助ける実にカッコイイ役でした(笑