空手映画特選(01)『殺人拳2』 | 続・功夫電影専科

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「殺人拳2」
Return of the Street Fighter
1974

▼さて、前々から予告していたとおり、今回からしばらく千葉真一とJACの活躍を追う特集・"空手映画特選"をお送り致します!特集といっても、なにぶん無計画に色々とのたまうだけなので、どのぐらい続くかは私でも解りません(爆)。一応、前回のマーシャルアーツ映画特集以上の内容でやっていこうかと思っています。
で、特集の筆頭として紹介するこの作品は、かのスプラッターカラテ映画『激突!殺人拳』の続編であります。前作よりもスケールがアップし、更に新たな要素を加えているようですが…?

■話は空手連合(と称して暗躍するマフィア。日本支部長が『ジャッカー電撃隊』の鯨井長官こと田中浩…と思いきや?)から極悪空手家の千葉ちゃんが依頼を受けた場面から始まります。その依頼は警察に捕まっている連合の仲間を口封じの為に殺して欲しいというもの。
さっそく行動を開始した千葉ちゃんは、新たなる相棒の市地洋子と共に任務を遂行していく。だがその一方で、前作も登場した鈴木正文らが田中の暗躍に薄々勘づき始めていた。海外で寄付と称した脅迫行為をしていたことも暴かれ、ヤバくなった田中は邪魔な鈴木正文らを殺害するよう、破格の金額で千葉ちゃんに依頼した。しかし前作の一件で鈴木正文に恩義を感じていた千葉ちゃんはこの依頼を蹴り、田中たちの組織から狙われることになってしまう…。
次々と千葉ちゃんの前に現れる刺客の数々!だが生半可な相手では千葉ちゃんに勝てはしない。そんな百戦錬磨な千葉ちゃんの前に現れたのは、なんと前作で千葉ちゃんに喉を潰されて死んだはずの石橋雅史だった!石橋は人口声帯を喉に装着し、新たにサイを持ってマフィアの一員として復活していた。そのパワーたるや前作以上のもので、さしもの千葉ちゃんも負けてしまう。
その後、鈴木正文やその仲間達はマフィア日本支部の真のボス・クロード・ガニオンが放ったヒットマンに襲撃を受けてしまっていた。だが千葉ちゃんが復活し、マフィアのスパイだったが千葉ちゃんに思いを寄せていた市地洋子が殺されるや、たった1人で組織に立ち向かうのであった…。

▲本作は善作と比較すると、あらゆる面でずいぶんライトな仕上がりになっている。例えば、前作ではくどい上に気色悪かった残虐的な演出は影を潜め(敵の後頭部を殴ったら目玉が飛び出るという失笑ものの演出があるくらい)、あのド外道だった剣琢磨のキャラクターもかなりイイ人になっていた。
「鈴木正文は俺が唯一尊敬している人なんだ!殺せない!」や「ずっと、俺と一緒にいてくれたのか…」など、とても前作の鬼畜だった千葉ちゃんからは想像できないようなセリフが飛び出している。やはり苦情があったから路線変更したのか、それともスタッフが「あれはやりすぎだったよな…」と思って改変したのかもしれない。
改変といえば、本作には新たに対戦相手にアクセントを付けるようになっている。前作では石橋雅史以外はほとんどザコ同然だったが、今回はそれなりにキャラ立ちを良くし、字幕による使用武器の紹介を挿入し、視聴者にも解りやすいようにしている。ちなみに字幕で登場したのは双節棍・棒術・槍術・二丁鎌・日本刀・サイ。この他に予告編のみだがレスリング・キックボクシング・拳法・琉球古武道・日本古武道・アラブ空手などが紹介されている(なお、これら"字幕による敵キャラ紹介"という手法は後々『女必殺拳』で大きく開花する)。
作品としては前作とのリンクも大きく、本作から加味された様々な敵キャラというのもユニークで、決してブルース・リーの模倣に頼っただけのカラテ映画ではない事を誇示しているようにも思えた。
しかし前作のインパクトを経験した後だと、若干"物足りない"と思われるかもしれない。全体的にソフトにした分、本来の『殺人拳』が持っていたモンド風味が薄れてしまったのではないか?という意見も考えられるが、これは賛否が分かれる所だろう。
ちなみに本シリーズはその後さらに剣琢磨がヒーロー化した第3作の『逆襲!殺人拳』、子連れ狼の要素を取り入れてソードバトルも加えた『子連れ殺人拳』と続いていくことになるのだった。