
「カンフー東方見聞録」
原題:馬哥波羅
英題:Marco Polo
製作:1975年
▼本作はとても奇妙な取り合わせのもとに成り立っている。手っ取り早く言うと、この作品は"張徹"+"マルコ・ポーロ"+"功夫映画"でできているのだ。
マルコ・ポーロといえば一昨年流行っていたFLASH(※)が思い出されるが、東方見聞録を書いた人と言えば誰でも知っている冒険家である。そのマルコを演じるのがリチャード・ハリソンという外人さんなのだが、もともと彼は西部劇のスターであり、いつの間にやらフィルマークのニンジャ作品にも顔を出すようになってしまった変な経歴を持つ人である(笑
彼と並行する形で主演するのが、張徹作品でおなじみ傅聲(フー・シェン)、威冠軍(チー・クワンチュン)、郭振鋒(フィリップ・コク)、唐炎燦(トン・ウェンチャイ)らで、対する敵側は梁家仁(リャン・カーヤン)、王龍威(ワン・ロンウェイ)、劉家輝(リュウ・チャーフィ)のトリオが登場だ(余談ながら、彼ら3人は本作以外でも『八道樓子』という張徹監督作品でトリオを組んでいる。もしかするとこの3人は、当初トリオで活動する予定だったのだろうか?)。
■諸国を旅する大冒険家、マルコ・ポーロは中国にやって来ていた。
皇帝フビライ・ハーンに謁見し、通行手形云々のやりとりを済ましてしばらく滞在する事になった。そこでマルコは皇帝お付の武道家たちと顔を会わせる。強力無双でスーパー張り手の梁家仁、同じく豪腕でサブミッションを使う王龍威、二刀流の劉家輝らがそれである。
各地を旅して回るマルコだが、ある日フビライの城にて侵入した反乱軍の刺客2人組と出くわした。「悪しき皇帝に制裁を!」と迫る刺客だったが、大勢の兵と強力なボディガード3人に阻まれて1人が倒れ、もう一人は負傷しつつも鐵布杉を駆使して何とか脱出に成功する。
…ところで、鐵布杉を使う刺客役のこのお方、どこかで見た気がするのは気のせいであろうか(笑)。かつてGH初期の作品に顔を出していたり、金粉ショーの集団と戦ったあのお方に…そう、実はあの黄家達がカメオ出演しているのです!黄家達Vs劉家輝という垂涎の対決もあるので、功夫ファンは有無を言わさず必見です!
黄家達はなんとか城から逃げだすことに成功し、妹の施思(シー・ズー)や弟と合流する。そこへ追ってきたボディガード3人は、マルコが見守る中で反乱分子の一員たる施思を捕らえ、抵抗するあのお方と弟も容赦なく殺していった。その非道なやり方が気になり、マルコは施思に優しく接する。
彼女らを街へと護送する最中、マルコとボディガード3人は大きな荷車を押す男達と出会う。実は彼ら傅聲・威冠軍・郭振鋒・唐炎燦らも反乱分子のメンバーであり、黄家達の訃報を聞いてボディガード3人に復讐を誓うが…。
▲その後は皆さんの予想の通り、傅聲Vs梁家仁、郭振鋒Vs王龍威、威冠軍Vs劉家輝、唐炎燦Vs敵兵団という対戦図式でクライマックスを迎えます。それにしてもマルコがフビライに謁見したのは史実ではあるものの、そこに功夫片を絡ませるのは強引かと思うのだけど(苦笑
この前の年に『続・少林寺列伝』で脇役だった劉家輝が大躍進しているのが興味深いが、本作の武術指導は張徹作品ならいつも担当しているはずの劉家良でなく、謝興と陳信一という人だ。彼らはのちに『少林寺列伝』などでもアクションを担当する台湾系の武師で、劉家良離脱後の張徹映画を盛り立てた(劉家良はこの作品の撮影中に張徹と衝突してコンビを解消しており、一応ちょっとだけ撮影には関わっているらしい)。
ストーリーは張徹作品としても歴史劇としても中途半端ではあるが、冒頭から何度も続く功夫シーンに加え、以後の『少林寺列伝』等の布石になったであろう特訓シーンの数々も挟み込んであって飽きさせない作りになっている。
それにしても気になったのが唐炎燦だ。私は彼が張徹作品でラストまで生き残るのを見たのは『嵐を呼ぶドラゴン』のみだ。『少林寺列伝』『続・少林寺列伝』でも死んでるし、その死亡確率はジミー先生作品における龍飛と山茅よりも高いかもしれない(爆
※…参考までにマルコ・ポーロのFLASHを↓
http://storage.irofla.com/?name=maruko&type=swf