マーシャルアーツ映画特集・その4『刑事ニコ/法の死角』 | 続・功夫電影専科

続・功夫電影専科

香港映画を始めとした古今東西のアクション映画の感想などを書き連ねています。


「刑事ニコ/法の死角」
Above the Law
1988

●なかなか更新できなかったので、今日は一気に3つのレビューをお送りします。
さて、マーシャルアーツ映画には欠かせない三巨頭がいることをご存じでしょうか?1人はジャン=クロード・ヴァン・ダム、もう1人は人間核弾頭ことドルフ・ラングレン。そしてあと1人が、かの有名なスティーブン・セガールだ。
そして本作こそセガールの原点で彼のデビュー作でもある。
見てみたところびっくりしたのが、セガールが凄くスリムであるという事だ(爆
それも含めた話だが、最初の主演作という事で、今のセガール映画からは想像のつかないような場面がいくつかあったりする。
まず、本作は社会派サスペンスであるということ。非行少女を捜していたら、麻薬の事件にぶつかり、それが政界をも巻き込んだ巨大な闇が相手であることが解ると、セガールは単身立ち向う…というものだ。今のどこか軽いセガール作品を見慣れた人なら、後半にかけて難しいセリフの飛び交う難解なシーンに戸惑う事は間違いないだろう。
次に、本作のセガールは決して無敵ではないという事。彼の作品では傑作と呼び声の高い『暴走特急』では狙撃されてもカスリ傷だった彼が、物語終盤に敵勢に捕まってボコボコにされるという場面が登場する。
今回の彼は元CIAで、日本で合気道も学んだ経験がある刑事という、セガール自身に近い設定となっている。確かに敵を自慢の武術でぶちのめすシーンもある…が、その後の彼の活躍と比べてみると、どうにも地味な印象を受ける。これは作品自体の色合いも大きく影響しているようだ。
本作は刑事アクションではなく、格闘アクションのある刑事ドラマのような感じ。従って物語自体も印象は暗い。しかしその後数々の作品で悪党共の手首をひねりつづけるセガールの原点がここにあると見ればなかなかに興味深いものである。
なお、セガールのアクションは合気道を基礎とした相手を張り倒すスタイルのため、ヴァンダムその他と比べるとアクションに華はない。だが、他ではあまり見ない関節主体に狙っての攻撃や、そしてなによりも彼独自の存在感が全てを駆逐し、今では一種のブランドにまで認知されている。この手のスターでは間違いなく一番の出世頭と言えよう(今は落ち目だけど)。
そういえばこんな人が香港にもいたような…確かジミー・ウォ(省略