マーシャルアーツ映画特集・その5『レプリカント』 | 続・功夫電影専科

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香港映画を始めとした古今東西のアクション映画の感想などを書き連ねています。


「レプリカント」
REPLICANT
2001

▲続いてはマーシャルアーツ映画界三巨頭の1人、ジャン=クロード・ヴァン・ダム主演作の紹介だ。
ヴァンダムは『シンデレラ・ボーイ』で呉思遠に見初められてデビューし、立て続けに格闘アクション映画に主演し続けた、三巨頭中最も活躍していた男である。更に、彼は香港映画に興味を持っていたらしく、徐克(ツイ・ハーク)ら香港から来た監督の作品に出続け、二度に渡って楊斯(ヤン・スェ)と闘い、その他にもショー・コスギとも渡り合った。
しかし寄る年波には勝てないのか、最近の彼の出演作は軒並み小物だったりビデオスルーだったりと、なかなか作品に恵まれていない。そんな中で今回紹介するこの映画は、そこそこ健闘した方と思われる。

■子持ちのシングルマザーばかりを狙い、殺害したあと家に放火するという残忍極まりない殺人犯のヴァンダムは、今日も熟年刑事の追跡を振り切って意気揚々と逃げていた。
一向に進展しない捜査に苛立ちを募らせる熟年刑事…そんな彼の元にある組織から連絡が入った。わけも分からぬままにとある研究所に足を運んだ彼が見たものは、あの殺人犯のクローンであるヴァンダム(一人二役)だった。研究員らによると、クローンはモノホンと同じ思考能力を持っているから彼を捜査に協力させれば必ず殺人犯を捕まえられるという。
…何か色々ムリあり過ぎの設定だと思うのは気のせい(爆)?クローンがいきなり大人の姿で生成できないだろうし、ましてやDNAレベルで潜在意識が同じパターンを辿るというのも無茶苦茶だと思うのだけども…(本作の監督はヴァンダムと何度も組んできた林嶺東(リンゴ・ラム)である)。
善のヴァンダムは生まれたばかりなので右も左も分からない子供同然。熟年刑事はしぶしぶ協力することになったが、目の前にいる男が自分が追っている悪いヴァンダムのクローンであり、いつ悪に覚醒するかも分からないため気が気ではなかった。
刑事の自宅での誤解や歓楽街での乱闘などのイベントを経て、ついに善と悪…二人のヴァンダムが初めてまみえた。悪ヴァンダムは自分そっくりの善ヴァンダムに驚きつつも、薄々クローンだと気づき始め、悪への誘いを囁きかける。戸惑う善ヴァンダム…そんな時、熟年刑事と善ヴァンダムは悪ヴァンダムの秘密を知った。
悪ヴァンダムの母親は彼が幼い頃虐待をしていて、悪ヴァンダムは当時の経験が尾を引き、我が子に暴力を働く女性を見ると無性に殺したくなるという特異な感情を抱くにいたったのである。
早速二人は悪ヴァンダムの母親が入院している病院へ向かうと、悪ヴァンダムが自分の母を殺していた!クローンとはいえ自分の母親を殺された善ヴァンダムは悪ヴァンダムに立ち向かう!善と悪、二人のヴァンダムの死闘が始まった!

▼ヴァンダムといえば忘れてならないのが開脚である。とにかく、どの出演作でもこれ見よがしに披露するのだが、見た目のインパクトだけのあまり意味のないパフォーマンスかと思うのだけど…(爆
さて、本作はSFや推理サスペンスなど様々な要素を組み込もうとした結果、よくわからない出来になってしまった感が強い。とはいえ、これまで何度も"一人二役"を演じ続けてきたヴァンダムによる"一人二役"映画としてはおそらく一番の完成度だろう。
格闘アクションも三巨頭の中では一番の良い動きを誇り、その景気の良い蹴り技は彼の代表作である『キックボクサー』などでも遺憾なく発揮されている。
セガールを"静"と表するのなら、さしずめヴァンダムは"動"である。では三巨頭残りの1人、ドルフ・ラングレンは…?それは次のレビューに続きます。