
「チャック・ノリスの地獄の復讐」
FORCED VENGEANCE
1982
▲李小龍(ブルース・リー)の登場は世界中に衝撃を巻き起こした。ヌンチャクが舞い、目にも止まらぬ技の応酬に人々は歓喜した。そして、李小龍と同じく格闘技者だった者達は、リーに続けといわんばかりに映画界へと飛びこんでいった。
しかし時間というのは無常なもので、李小龍のブームも過ぎ去り、ジャッキーがアメリカ進出に失敗したことで、海外の格闘映画は衰退の一途をたどった。そんな中においても、ただひとり我が道を行き、現在のマーシャルアーツ映画の基盤を作った偉大なる男がいた…その男こそ誰であろう、『ドラゴンへの道』で李小龍と戦ったあの男、チャック・ノリスである!
本作はそんなノリスが遠き香港の地で挑んだ復讐劇であり、敵の巨大な日系人には日本人の坂口征二が扮している(彼はかつてアントニオ猪木としのぎを削りあったプロレスラーで、現在は某プロレス協会の会長をやってるらしい)。
■ノリスの今回の役は香港カジノのバウンザー(用心棒)で、恩義ある社長とその息子と共に香港でカジノを経営していた。しかしマフィアに目をつけられ、カジノは買収を迫られる。一代で築き上げた愛着あるカジノを手放したくない社長はマフィアの申し出を拒否する。これに激怒したマフィアは早速社長とその息子を血祭りに上げ、さらにその容疑をノリスに擦り付けた。
ベトナム帰りの友人に社長の娘とガールフレンドを預け、未だ実態の分からないマフィアを探るべく行動を開始したノリスは、事件の核心に迫る。だが、追っ手の坂口一味によって友人はボコボコにされ、ガールフレンドは暴行され、社長の娘は敵陣にさらわれる(友人ぜんぜん頼りになりませんでした)。
怒りに燃えるノリスは、唐突に居合わせた秘密捜査官のオッサンと共に敵のボスの腹心が乗るボートを襲撃する。腹心は棒術でノリスを苦しめるものの、結局は敵わず水中に没した。丘に上がり、敵の本拠地である孤島に乗り込んだノリスは、車椅子に座するボスを発見する。だが、そこには最後の砦・坂口征二が!ボスが見守る中、地獄の復讐の火蓋が斬って落とされた!
▼製作は『2001年宇宙の旅』などで知られるライオンシンボルの大手・MGMで、ノリスの初のメジャー出演作品だ(興行成績は中ヒットだったらしい)。
アクションはシーンごとによってクオリティの高低差が激しく、アクションを指導した人が現地の人とアメリカのクルーとが混合されていたのではないかと思われる。ラストの坂口征二戦は、双方動きは鈍く時間も短いものの、"血で血を洗う壮絶ファイト"として成り立っており、80年代初期のノリス作品ではベストと思われる(と言っても、自分はあまりノリス作品には馴染みが無いので更に面白い作品があるかもしれません。そういう意味ではこれから楽しみです)。
最後に、本作にはとても有名なあの功夫スターが出演している事を付け加えておこう。
劇中ノリスが社長の娘を訪ねるシーンで、娘のボーイフレンドとして登場し、ノリスにガン飛ばされて去っていくという小さい役の人だが…実は彼こそが、のちのリチャード・ノートンなのだ!この頃はまだデビュー間もなかったのか、こんな役です(苦笑
これの他は『オクタゴン』ぐらいでしか共演していないこの二人。『麒麟掌』での李小龍と倉田保昭のツーショットとまでとはいかないが、貴重な一瞬である。