マーシャルアーツ映画特集・その2『キング・オブ・キックボクサー』 | 続・功夫電影専科

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香港映画を始めとした古今東西のアクション映画の感想などを書き連ねています。


「キング・オブ・キックボクサー」
THE KING OF THE KICKBOXERS
1991

▲マーシャルアーツ映画には、しばし意外な人が出演していたりする。
例えばハリウッド女優アンジェリーナ・ジョリーはブレイク前に『サイボーグ2』でバリバリのアクションを披露していたりする。そして本作には、最近通販番組で話題の"最強の51歳"ことビリー・ブランクスが出演している。
ちなみに本作、マーシャルアーツ映画の特集と銘打っておきながら、実は香港映画(海外資本向けとして作られた映画…ヴァンダムの『シンデレラ・ボーイ』も同様)なのである。ちなみに制作は『酔拳』を作った呉思遠のプロダクションが制作。主演のローレン・アヴェドンは、この他にも同じシーゾナルの『レイジング・サンダー』にも出演している。

■10年前、タイで格闘大会に優勝した兄を地元の凄腕ファイター、ビリー・ブランクスに殺されたニューヨーク市警の問題警官のローレンは、今日も潜入捜査中に問題を起こして鬼部長に大目玉を食らっていた。
そんなトラブルメーカーな彼に、部長は国際警察から依頼されていたタイのシンジゲートの事件にローレンを向かわせようとする。だが、彼は因縁の地であるタイに行くことを拒否した。
この事件はアクション映画に見せかけた殺人ビデオ(要はスナッフフィルム)を流通させている組織の摘発および壊滅だった。一応資料として支給された組織の映画に目を通したが、その中に兄を殺した男・ビリーが映っているではないか!さっそく部長を説き伏せ、ローレンはタイに飛んだ。
捜査を続けるうちに、彼はヒロインを助けたり、ムエタイ道場で道場破りなどして組織に接近する。その過程でローレンはキース・クックと出会う。キースはパッと見飲んだくれだが、実は武道の達人で、かつてビリーに敗北した経験を持っていた。今はひっそりとボロ小屋で猿と暮らしているが…う~ん、なんだかどこかで見た光景だぞ?(爆
ローレンはビリーを倒すべくキースに弟子入りし、彼の過酷な(そしてどこかで見た様な)特訓を受ける。途中、衝突を繰り返しながらも確実に成長して行くローレン。そこへ部長がやってきた。部長はこれ以上ローレンを事件に深入りさせたくないというが、現地の情報屋が進言したことからしぶしぶ承諾。ローレンはシンジケートの制作による自分の出演作が撮影されるロケ地へと向かう。
木枠で組まれた大きなドームに舞台が設置され、いよいよ撮影開始=戦闘開始となった。雑魚を一蹴し、ビリーをコロシアムに引きずり出そうとするローレンだが、ビリーはヒロインと殺害したキースを人質に現れた!
嫌がおうにも怒りが高まるローレンを前に、クライマックスのゴングが鳴らされた!

▼パッと見、本作はキックボクサー映画と思われるかも知れないが、その実は演者を外人にした『酔拳』である。兄を殺された少年時代のローレンがビリーに圧倒される場面も、まんま同じ事を『酔拳』でジャッキーと黄正利がやっていた。
アクションについては殺陣は良いものの、役者がついていけてない感が強い。だが、その一方でラストのキック対決は結構見ものであり、武術指導を担当した梁小熊(トニー・リャン)の手腕が光る良いバトルとなっている。
しかしストーリーはチグハグで、クライマックスでキースが殺されてしまった場面も唐突過ぎ、あまり感情移入ができないまま話が進んでいってしまう。あるいは強大なビリーに、ローレンとキースの二人で協力するという『蛇拳』パターンもあり得たのではないだろうか?
ちなみに本作は、以後続編の2から4までがリリースされたが、それらはストーリーもまったく関係のない似たテイストの作品なのでご注意を(呉思遠が関わったものは『キング・オブ・キックボクサー/ファイナル』だけ)。