残骸水濡れ本・その1 | 人生は野菜スープ~アエリエルのブログ、または午前0時&午後3時毎日更新の男

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元職・雑誌フリーライター。バツイチ独身。午前0時か午後3時に定期更新。主な内容は軽音楽(ジャズ、ロック)、文学(現代詩)の紹介・感想文です。ブロガーならぬ一介の閑人にて無内容・無知ご容赦ください。

 筆者は一昨年床上浸水に3度遭い、その都度部屋の家具、家電、寝具、衣類、買い置きの保存食、蔵書(書籍、LP、CD、DVD)を引っ越し業者に箱詰めにされて保管してもらい、床の張り替えや清掃・消毒の間、一時ホテルや同じアパートの空き部屋に避難して暮らす、という憂き目に遭ってきました。ワンルームのアパートに蔵書約60箱分ほどを、本棚に入りきらない分は床に積んでいたので、段ボール箱に詰められた蔵書は開けてみないと被害状況がわからないままあまりの量に開梱が追いつかず、昨年はアパート老朽化のため取り壊し・立ち退きを迫られて現在のアパートに越してきました。
 本棚分の蔵書は一応引っ越し業者に元に戻してもらったものの、それでもまだ50箱分あまりの未開梱段ボールがあり、少しずつ片づけていますが、床上浸水時に引っ越し業者が濡れた本・濡れていない本まで一緒にとにかく段ボールに詰めこんだため、床上浸水時には被害を免れた本まで段ボール箱の中で濡れた本の雨水を吸ってカビる、という現象がかなりの段ボール箱の中で起こっていました。筆者は図書館にもない本を集めるのが本の買い方だったので、何とも悲惨なことになりました。その内訳のひとつがこれです。雨水濡れで黒カビが生え、ページが張りつき表紙・裏表紙が膨張して読むに耐えない状態です。背表紙をご覧ください。小説類はともかく、ジェリー・ホプキンズ(片岡義男訳)『エルビス』、渋沢孝輔の『蒲原有明論』、『別冊文藝  セロニアス・モンク』などは古書価が高くても買い直すしかありません。小説類もルキアノス『神々の対話』から、英米文学の古典、スティーヴン・クレイン『マギー・街の女』『ジョージの母親』、ジョセフ・コンラッド『密偵』、A・A・ミルン『赤い館の秘密』、トマス・ウルフ『死よ、誇り高き兄弟』、ジョン・ホーン・バーンズ『画廊』、ジョーセフ・ヘラー『キャッチ22』、ウィリアム・スタイロン『ナット・ターナーの告白』、ジョン・バース『キマイラ』から、文学全集類の『レイモン・クノー『地下鉄のザジ』『聖グラングラン祭』/サミュエル・ベケット『名づけられぬもの』』『ジョルジュ・バタイユ『C.神父』/モーリス・ブランショ『死の宣告』/サミュエル・ベケット『マロウンは死ぬ』』の巻、ジュリアン・グリーン作品を収録した『アンドレ・ジッド『狭き門』/ジュリアン・グリーン『モイラ』』や『フランソワ・モーリアック『愛の砂漠』/ジュリアン・グリーン『夜明け前の出発』』の巻など、丹精こめて集めて愛読してきた古本ばかりです。段ボール箱はまだ1/4も片づいておらず、この先どれほど水濡れ本を処分しなければならないかを思うと臓腑をえぐられる感じすらします。