裸のラリーズ - December's Black Children (Live, 1980) | 人生は野菜スープ~アエリエルのブログ、または午前0時&午後3時毎日更新の男

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元職・雑誌フリーライター。バツイチ独身。午前0時か午後3時に定期更新。主な内容は軽音楽(ジャズ、ロック)、文学(現代詩)の紹介・感想文です。ブロガーならぬ一介の閑人にて無内容・無知ご容赦ください。

裸のラリーズ - December's Black Children (Live, 1980)
裸のラリーズ - December's Black Children (Live, 1980) :  

Released in 1989 (Not on Label, Unofficial, 2CD, 100 Copies Only)
Reissued from the Box Set "1980 Live & Soundboard" Disc 9, 10 by Illegal-Alien Records IAL01 (10CD-R, Unofficial), Germany, 2003
全作詞作曲・水谷孝
(Disc 1)
1-1. 白い目覚め White Waking - 4:57
1-2. Enter the Mirror - 16:01
1-3. (夜より深く) [untitled] - 13:43
1-4. The Last One - 14:14
1-5. 氷の炎 Flames of Ice - 8:36
(Disc 2)
2-1. 黒い悲しみのロマンセ Romance of Black Grief - 13:31
2-2. 記憶は遠い A Memory Is Far - 14:41
2-3.  (夜より深く Part2) [untitled] - 22:56
2-4. 夜、暗殺者の夜 Night of the Assassins - 12:31
[ 裸のラリーズ Les Rallizes Dénudés ]
水谷孝 - vocal, guitar
山口冨士夫 - guitar
Doronco - bass guitar
野間幸道 - drums  

 ローリング・ストーンズ1965年のアルバム『December's Children』からもじったタイトルの、全編で122分におよぶこのUnofficialライヴ盤『December's Black Children』は、200枚を越える裸のラリーズのUnofficialアルバムでもリリース時期がもっとも早いもので、リーダー水谷孝(1948-2019)が渡仏中の1989年に100枚限定プレスでリリースされたのが確認されています。つまり水谷孝によって1991年に初めて公式リリースされたラリーズの単独アルバム3作『'67-'69 STUDIO et LIVE』『MIZUTANI -Les Rallizes Denudes-』『'77 LIVE』よりも早くリリースされた2枚組ライヴ盤になるわけで、それまでもラリーズの音源はファンの間ではカセットテープ・コピーで出回っていましたが、プレスCDとしてリリースされたアルバムとしては本作が群を抜いて早いことになります。Unofficial盤についてオリジナル盤という呼び方はあまり適切ではありませんが、本作のオリジナル盤は100枚限定プレスでレア中のレアとされ、筆者も実物を手にしたことがありません。また山口冨士夫(1949-2013)在籍時のライヴ音源(1980年8月~1981年3月に7回)はラリーズのライヴ音源でも人気が高いことから、この1980年12月の渋谷屋根裏ライヴはさまざまな形で再プレスされており、もっとも早く山口冨士夫参加の1980年内の6回のライヴを集成した2003年のドイツ盤10枚組CD『1980 Live & Soundboard』ではこのライヴはディスク9とディスク10に収められ、そこでは曲順・曲名表記は次のようになっていました。

◎1980 Live & Soundboard
1980/12/13 屋根裏
9-1. 夜より深く - 13:52
9-2. 氷の炎 - 8:38
9-3. 夜、暗殺者の夜 - 12:33
9-4. 夜より深く Part 2 - 22:58
9-5. 白い目覚め - 4:55
10-1. 記憶は遠い - 14:42
10-2. Enter The Mirror - 16:03
10-3. The Last One - 14:17

 しかしこれも間違いで、YouTubeリンクに引いた曲順が正しいとすると、こうなります。

1-1. 氷の炎 - 8:38
1-2. 夜より深く - 13:52
1-3. 黒い悲しみのロマンセ - 13:31
1-4. 夜より深く Part 2 - 22:58
1-5. 夜、暗殺者の夜 - 12:33
2-1. 白い目覚め - 4:55
2-2. 記憶は遠い - 14:42
2-2. Enter The Mirror - 16:03
2-4. The Last One - 14:17 (incomplete)

 『1980 Live & Soundboard』では1989年盤『December's Black Children』からは「黒い悲しみのロマンセ」が抜けていますが、『December's Black Children』では「夜より深く」「夜より深く Part2」とされていたのが[untitled]だったのをきちんと曲名が特定され、またラリーズのライヴ最終曲「The Last One」が最終曲になっていることからも、実際の曲順はこちらの方が正しいでしょう。さらにYouTubeで試聴リンクに引いた『December's Black Children』は1989年版のコピー版ではなく、オリジナル・マスターにより近いマスター・テープを使用し実際のライヴ通りの曲順で収録したリニューアル版と思われます。ディスコグラフィー的見地から上記には1989年リリース盤の曲目表記を上げましたが、実際のライヴは試聴リンクに引いたリニューアル版が正しいと思われるので、お聴きの際はYouTubeにアップされている版を信用なさっていただいていいでしょう。またライヴの日付ですが、オリジナル盤『December's Black Children』が1980年12月12日~13日(オールナイト・コンサート)と収録日をクレジットしていたため、『1980 Live & Soundboard』でも「1980/12/13」、YouTubeにアップされているリニューアル版でも1980年12月12日~13日とデータが踏襲されていますが、裸のラリーズの渋谷屋根裏1980年12月の出演は19日と特定されています。2時間以上ものライヴだったので前半・後半と休憩をはさんだ2セットに分け、終演は20日午前になったかもしれませんが、データ上は1980年12月19日出演が現在では特定されているのでそれで間違いはないでしょう。山口冨士夫参加時のライヴは1980年8月、10月、1981年3月の三回のライヴをまとめた『Double Heads』がバンド自身のオフィシャル・リリースを視野に入れた収録と目せる必聴盤ですが、この12月のライヴも演奏は素晴らしいの一言に尽きます。水谷孝、山口冨士夫の2ギターの豪放さでは『Double Heads』をしのぐほどです。本作に一回しか触れないのはもったいないので、次回も続いてこの『December's Black Children』を味わってみようと思います。

(旧記事を手直しし、再掲載しました。)