究極の宴会芸バンド・ほぶらきん | 人生は野菜スープ~アエリエルのブログ、または午前0時&午後3時毎日更新の男

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元職・雑誌フリーライター。バツイチ独身。午前0時か午後3時に定期更新。主な内容は軽音楽(ジャズ、ロック)、文学(現代詩)の紹介・感想文です。ブロガーならぬ一介の閑人にて無内容・無知ご容赦ください。



ほぶらきん – こっぷらきん/キングホブラ/インドの虎狩り/ゴースンの一生 (Alchemy Records, 1991) :  

(Tracklist)
●こっぷらきん (EP, self released in 1979)
1. 私はライオン - 0:50
2. いけいけブッチャー - 1:11
3. 牧場の少女 - 0:36
4. アックンチャン - 1:07
5. 山はサンタだ - 1:08
6. 陽気なサイパネ人 - 1:58
7. こがねむし - 0:49
●キングホブラ (EP, self released in 1980)
8. ピーピーパピパピー - 0:37
9. 暴れん坊将軍K - 0:46
10. 村のかじや - 1:01
11. 頭がほしい - 0:27
12. ペリカンガール - 1:56
13. アメリカこけし - 0:51
14. 魚うり - 0:43
15. ゴースン - 0:39
16. センチメンタルヘッケル - 1:59
17. 単位踊 - 0:44
18. とんがりとしき - 1:21
●インドの虎狩り (EP, Unbalance, 1981.8)
19. どまぐれじんぎ - 1:50
20. 京阪牛乳 - 0:38
21. はちぶんぶ - 1:02
22. かもられてかも - 1:07
23. まらだしガンマン危機一髪 - 1:10
24. 金勝は信楽守る山 - 0:33
25. ゴースンゴー - 0:36
26. 俺はなんでも食う男 - 0:33
27. わらびもち - 2:03
28. ピコリーノ - 0:39
29. おおがみらす - 1:04
30. 俺はなんでも食う男 (2) - 1:18
31. ああ我れ身に油を塗りて勇気百倍まっ先かけて突撃せん - 1:08
32. うさぎ音頭で大暴れ - 1:42
33. ますかきラッキー - 0:18
●ゴースンの一生 (2EP, Flexi-disc, Olsen Record, 1983)
34. ゴースンのテーマ - 3:51
35. どくろ忍者の歌 - 3:03
36. 怪人タツドロド - 3:55
37. ライオン丸のテーマ - 0:30
38. 大仏小仏 - 0:57
39. 水中まつり - 3:35
40. ゴースンの子守り歌 - 1:55
41. 猪俣蟇衛門 - 1:59
42. タイガージョー - 3:41
43. ゴースン鉄工所 - 2:34
44. ゴースンの川下り - 1:57
45. 死んだら赤貝~完~ - 4:21
46. 潜水艦 - 1:27
●Unreleased Tracks 
47. ミネソタの卵売り1 - 0:13
48. ミネソタの卵売り2 - 0:16
49. ミネソタの卵売り3 - 0:14
50. ミネソタの卵売り4 - 0:16
51. ミネソタの卵売り5 - 0:18

 岐阜県が誇る伝説的麻雀同好会、ほぶらきんはメンバーが大学在学中の1979年から1983年にかけてのみ麻雀の余興でバンド活動をしていた存在で、1979年・1980年の自主制作EP『こっぷらきん』『キングホブラ』の好評で人前でのライヴ活動もするようになり、ファンクラブも結成される人気を博し、続く1981年のEP『インドの虎狩り』、1982年のライヴEP『ホームラン』はファンクラブ主宰のUnbalance Recordからリリースされました。1983年にはメンバーが長年温めていた構想から、特撮テレビドラマ『快傑ライオン丸』をテーマにしたソノシート2枚組におよぶロック・オペラ大作『ゴースンの一生』を発表、そしてほぶらきんはメンバーの大学卒業とともに音楽活動を休止し、温泉旅行と麻雀大会を中心とした団体に戻ります。そして音楽活動休止から8年を経た1991年にインディー・レーベルのアルケミー・レコーズから発売されたのが、ほぶらきんの残した5作のうちライヴ盤の『ホームラン』を除く全スタジオ録音集『こっぷらきん/キングホブラ/インドの虎狩り/ゴースンの一生』で、このコンピレーション盤制作時に『ホームラン』で演奏されるもスタジオ盤に未収録だった「ミネソタの卵売り」のスタジオ録音が5テイク発見され初発表されることになりました。スタジオ版未発表曲「ミネソタの卵売り」を除いても46曲で70分あまりの収録時間と、およそほぶらきんほど常識に囚われなかった存在は稀なので、1999年にはインディー・レーベルのFujiyamaから発掘ライヴ映像『デビューライブ』がDVDリリースされ、2001年にはアルケミーからライヴ盤『ホームラン』にさらに発掘ライヴを増補した『ランニング・ホームラン』が、さらに2006年には『こっぷらきん/キングホブラ/インドの虎狩り/ゴースンの一生』がリマスター盤『ほぶらきん』として再発売され、2009年にはアルバム全曲演奏の発掘ライヴとスタジオ版をカップリングした『ゴースンの一生・ライブ』が好評を博し、2013年にはついに現存する全音源とライヴ映像を収めたCD6枚・DVD1枚の7枚組『ほぶらきん・コンプリートBox』がリリースされました。しかも2015年には、自主制作盤デビューから35年を経て、テイチク・レコードから新録音を含んだ2枚組CD『メジャーデビュー』のリリースが実現してしまいます。さらに2022年には、テイチク盤ではレコード会社の自主規制から割愛された楽曲も収めて、アルケミーとP-ヴァインの共同で『グレイテストヒッツ』がCDとアナログLP(ライヴ盤『ホームラン』の収録はアナログLPのみ)でリリースされます。ほぶらきんのライヴはロック・バンドというより宴会芸だったことが、残されたライヴ映像からもうかがえます。
ほぶらきん - ウサギ音頭で大暴れ (Live, MV) :  

 ほぶらきんがリリースした5作はすべて7インチEPでしたが、傑作ライヴ『ホームラン』もシングル・レコードのサイズにAB面とも7曲ずつを収録した、ほぶらきんの面目躍如したミニ・アルバムでした。
ほぶらきん - ホームラン (Unbalance, 1982) :  

(Side A)
A1. いけ いけ ぶつちゃー
A2. あばれんぼう しようぐん K
A3. さかなうり
A4. ありめか こけし
A5. やまは さんただ
A6. とんがり としき
A7. ごーすん
(Side B)
B1. わたしは らいおん
B2. むらの かじゃ
B3. まきばの しようじよ
B4. あつくんちゃ
B5. ふしぎな まほうびん
B6. ようきな さいばねじん
B7. みねそたの たまごうり
 以上、スタジオ盤全4作を集成したアルケミー盤『こっぷらきん/キングホブラ/インドの虎狩り/ゴースンの一生』と、ライヴ盤『ホームラン』で、麻雀同好会兼余興バンドだった時期のほぶらきんの公式ミニ・アルバム全5作は尽きています。筆者は中古盤で見かけるたびにアルケミー盤『こっぷらきん/キングホブラ/インドの虎狩り/ゴースンの一生』を買ってしまいます。ほぶらきんは今なお温泉旅行麻雀大会を主目的として活動を続けているそうです。ほぶらきんのような存在こそが日本を代表するバンドとして認められる日こそ、真に音楽の明日が訪れるのかもしれません。