前にも書いたが、ベートーヴェンが亡くなって250年。特に日本人はベートーヴェンとチャイコフスキーが大好きだ。
30年以上前にウィーン郊外のハイリゲンシュタットを旅した想い出がよみがえる。ウィーンから行きは電車で帰りはバスの旅行だったが、午後いっぱいの旅行った。先ず「ベートーヴェンの小道」という標識に従って歩いた。左に小川が流れ、まさに「田園」交響曲の第二楽章の短いキャプション(副題)の「小川のほとりで」の情景そのものである。
ここは「田園交響曲」の着想を得た場所だ。曲の冒頭には「田舎に着いた晴れやかな気持ち」とあり、第二楽章には「小川のほとりにて」と、その小川の傍の小道でカッコウや小鳥の鳴き声を聞いたりしたのだろう。牧歌的な着想は農民の歌から得たらしい。
この道をたどると何かベートーヴェンの姿を空想してしまう。更に歩いてハイリゲンシュタットの遺書の家にいく。ここには弟に宛てた遺書が残っている。耳が聞こえなくなって絶望したのだろう。自殺はしなかったから遺書だけは残っている。