昔、イタリアを旅した時に、ミラノから日帰りでクレモナに行きました。残念ながら日曜日だったので工房はみな休みです。
大聖堂の鐘楼を背景に描いた水彩画
クレモナと言えば、17世紀・18世紀に渡ってヴァイオリンの名工、アントニオ・ストラディヴァリが現れてヴァイオリンの聖地になりました。ストラディヴァリは長生きで93歳まで生きて数多くのヴァイオリンやチェロを制作しました。
死後300年程経ちますが、未だに名器中の名器です。現在のヴァイオリンの寸法や形状は基本的に彼の楽器を基準としてます。250年以上経たないとヴァイオリンは綺麗な音が出ないらしく、今の新作のヴァイオリンも250年経たないといい音はしないそうです。多分木材に含まれる水分が自然乾燥で抜けるまでは駄目らしい。20世紀初頭に人口乾燥を試みましたが、その後音が駄目になり失敗でした。やっぱり自然乾燥です。
彼のヴァイオリンの世界大会が開かれると、千丁以上のストラディヴァリが集まるそうです。彼は千丁以上の楽器を作りました。現在6百丁ほど現存すると言われてますから、いかに贋作が多いかが判ります。取引値段も10億円を超えるのでは仕方がないかも知れません。
こんな貴重品ですからクレモナでさへ市庁舎に1丁展示されているだけです。バロック時代の彼の楽器は当然現代の演奏に適するように改良が加えられて、指板を長くしたり、強度を補強すめるために力木をいれたりされてます。
*写真
市の公園とストラディヴァリ像
大聖堂
ストラディヴァリ博物館(死後彼の子供が追放され、何も残っていいない)
Viosan の「ミネソタの遠い日々」 1970年に私たち夫婦・子供連れでミネソタ大学(University of Minnesota)へ留学した記録のホームページにもどうぞ