奥様は「しもたかフィル」というローカルなアマチュアオケに入っていますが、今年の秋に演奏する曲目の楽譜が配布されたそうです。大抵のアマオーケストラは一年間を通して毎週一回練習を重ねて本番となります。年に最低40回以上を練習に費やします。こんなに練習しなくてもと思うのですが、毎回欠席者が結構出て同じことを繰り返すからです。
さて、曲目はベートーベンの交響曲8番とドヴォルザークの交響曲8番です。ベートーベンの8番は以前早稲田オケOB同好会で練習したのですが、奥様は圧迫骨折で動けなかったので弾いていません。ドボルザークの交響曲9番「新世界」は2度ばかり他のアマオケで彼女は弾いたことがありますが、8番「イギリス」は初めてです。

楽譜を見ると4番となってます。
「あれ、4番じゃないか」
「だって8番をやるって言っていたもの」
「曲は8番みたいだけど」
冒頭から交響曲8番の第一主題のモティーフがチェロのパート譜に書かれています。何故4番なのか判らない。
親友のYさんもこのオケで1stヴァイオリンを弾いています。彼女は数週間休んでいて、まだ休むというのでヴァイオリンのパート譜を奥さんが貰ってきました。彼女と狛江の喫茶店で会い「何故8番でなくて4番なのか判らないんだけど」って楽譜を渡しました。私は彼女に会うのは久し振りなので楽しく談笑し、「3月中にはまたトリオの音合わせをしよう」と別れました。
帰宅してフランスの「Le LIVRE de Poche」(ポケット単行本の音楽辞典)のページをめくって奥様がドヴォルザークを調べ始めました。
「あっ、判ったよ」
曲の番号は出版の順序に関係があるらしい。
(お恥ずかしいながら、私も知りませんでした)
ドヴォルザーク交響8番{イギリス}~3楽章/ウィーンフィル~カラヤン
動画は8分の3拍子の舞曲ですが、ブラームスが親交のあったドヴォルザークのメロディメーカーとしての才能を羨んだというだけあって流れるような美しさです。またプラハ近郊の村で作曲されたので、大変ボヘミア的な曲ですが、出版されたのがイギリスということもあり「イギリス」と副題が付けられています。
生前に出版されたものから番号が付けられている。生前に現行の5番から9番が出版され、1番から4番まで作曲していたが出版されなかった。全部で9曲の交響曲を書いているから、通し番号では8番になるが、出版された順では4番になる。18世紀より出版された順に番号が付されるのが一般というが、現在では紛らわしいですね。
ヴィヴァルディ、バッハ、ヘンデル、ハイドン、モーツアルト、シューベルトなどは整理番号として付けられた作品番号を基に交響曲などの番号が付されているので区分しやすい。ショパンなども番号が紛らわしいらしい。

ドヴォルザークは自分の作品番号は勿論意識していたと思う。作品100はヴァイオリンのソナティネですが、100番目という記念すべき番号を息子と娘のためにソナティネを書いた。アメリカの民族メロディに溢れた可愛らしい素敵な曲です。
Viosan の「ミネソタの遠い日々」
1970年に私たち夫婦・子供連れでミネソタ大学(University of Minnesota)へ留学した記録のホームページにもどうぞ