メイヤーの家 - 064 | 遠い夏に想いを

遠い夏に想いを

アメリカ留学、直後の72年の夏に3ヶ月間親子でパリに滞在。その後、思い出を求めて度々訪欧。

遠い夏に想いを-標識  ベートーヴェンガングとエロイカガッセが交わるところに橋がある。ここまで戻ってエロイカガッセをベートーヴェンハウスに向かって歩く。ここは途中から急な坂道になっており、やはり緑の多い住宅街になっている。ややしばらく歩くとベートーヴェンが2ヶ月間滞在して第九交響曲の第四楽章を書いたメイヤーの家が正面に現れる。

遠い夏に想いを-メイヤー
遠い夏に想いを-プレート  白壁の家で、壁の高いところに小さなプレートがはめ込まれている。見えにくいが「1817年にベートーベンが住んでいた」と読める。正面に廻ると入り口の扉は閉ざされていた。今は居酒屋だそうだが、時間が早いから閉まっているのか、シーズンが過ぎたから閉まっているのか判らない。営業時間も記載がない。引越し魔のベートーベンがハイリゲンシュタットの周辺に間借りしていた数箇所の家が残っている。このメイヤーの家もその内の一つで第九交響曲の最終楽章を書いたという。


遠い夏に想いを-教会  この左手はファール・プラッツという小さな広場になっている。メイヤーの家は広場に面していて、奥に小さな教会が在る。ヤコブズ教会である。13世紀に起源をもつという古い教会だ。扉が開いていたので中に入る。この季節に訪れる人は殆どいないが、半ズボンをはいた30才くらいの女性観光客が腰に巻きスカートを付けて入って行った。こんな小さな教会でも身だしなみには気を使う。静かな午前中に、堂内は静まりかえて彼女の歩く足音だけが響く。


遠い夏に想いを-堂内
 この教会の隣に住んでいたのだから、ベートーヴェンも立ち寄ったのだろうか。第九交響曲の「合唱」が付いた第四楽章を隣のメイヤーの家で作曲したのだし。


 Viosan の「ミネソタの遠い日々」
1970年に私たち夫婦・子供連れでミネソタ大学(University of Minnesota)へ留学した記録のホームページにもどうぞ