ベルヴェデーレ庭園 - 057 | 遠い夏に想いを

遠い夏に想いを

アメリカ留学、直後の72年の夏に3ヶ月間親子でパリに滞在。その後、思い出を求めて度々訪欧。

 ベルヴェデーレ宮殿は傾斜地になっている庭園の一番高い所に立っている。ここから望むと遠くに街が広がり、シュテファンの塔が一段と高く聳えている。街の景色と庭園の景観は少しも変わっていなかった。宮殿にはクリムトの絵が展示されているが、今日は月曜日で閉まっている。七二年に来たときも月曜日だったのではないかと思う。今日も庭には殆ど人がいない。庭はフランス様式で出来ており、木は殆どないので、日差し強くなるとたまらない。


遠い夏に想いを-ベルヴェデーレ
 ベルヴェデーレは1723年に建てられたゴシック様式の宮殿である。大きすぎず、小さすぎずの宮殿は、白く輝き大変に美しい。シェーンブルン宮殿のほうが1713年と10年ばかり建築の完成が早いが、私はベルヴェデーレ宮殿の方が好きだ。庭園の傾斜に沿って歩く。赤や黄色や白の花々が咲き乱れる庭の中を足を止めながら歩く。時々振り返る。白いベルヴェデーレ宮殿がくっきりと青空に浮かびあがる。


 ここの宮殿にはクリムトの絵画が展示されてるはずだが、今日は月曜日の休館日で中に入れない。1972年に来た時も確か月曜日で扉は閉ざされていた。どうもウィーンは月曜日に因縁があるみたいだ。


遠い夏に想いを-スフィンクス
 歩いて庭園を下っていく。スフィンクスの石像が置かれている。スフィンクスと言うとエジプトのスフインクスを連想する。ヨーロッパにも古くからスフインクスの像が見られる。これ等は古代ギリシャのスフィンクスで美しい女性の顔と乳房のある胸、鷲の翼を持つ怪物であって、宮殿の守護に当たっているらしい。


 宮殿の正面から街の全景が望めるが(ヘッダーの写真)、庭園を下るにつれて段々と街が見えなくなり、シュテファンの塔も視界から消えていく。


 レンヴェーク通りに出た。右側にガルデ教会がある。覗いてみようかと、正面まで行ったが、このロココ風の教会の扉は閉まっている。


遠い夏に想いを-ガルデ教会  レンヴェーク通りにはマーラーの住まいがあった筈だ。マーラーがここから毎朝歩いて指揮者をしていた国立オペラ劇場まで通ったと、マーラーについての本で読んだことがある。だから、電車に乗らずとも歩ける筈だ。











 Viosan の「ミネソタの遠い日々」
1970年に私たち夫婦・子供連れでミネソタ大学(University of Minnesota)へ留学した記録のホームページにもどうぞ