モーツアルトの仲間達の演奏 - 020 | 遠い夏に想いを

遠い夏に想いを

アメリカ留学、直後の72年の夏に3ヶ月間親子でパリに滞在。その後、思い出を求めて度々訪欧。

 このバロック・ホールの正面舞台では、弦楽カルテットとコントラバスの演奏が始まった。観光用の演奏会は印で押したように『アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク』で始まる。ここの演奏者はみな若い。ザルツブルグ在住の楽器奏者と歌手からなる音楽グループである。演奏の上手下手は別にして、こんな時は楽しまなけりゃ損だ。なかなか軽快な滑り出しである。みなモーツアルトの時代の衣装とカツラをつけて演奏している。チェロとコントラバスは、例の赤い上着のスタイルだ。ヴァィオリンとヴィオラの3人はグレーの上着だ。ディナー・コンサートだから、モーツアルトの軽い音楽しかやらない。


遠い夏に想いを-器楽

 それにソプラノとテノールの歌曲が続く。ソプラノの女性は可愛いが結構年増だ。「フィガロの結婚」の舞台から出た来たような白いふさふさの衣装を着けている。テノールも黒と白の舞台衣装姿だ。モーツアルトの『フィガロの結婚』や『魔笛』からのアリアを数曲披露する。ソプラノはなかなか声がいい。音域も結構あって、音程も確りしている。日本人の歌手はコロラトゥーラが苦手だが、彼女はヴァイオリンのように正確に音を刻んでゆく。何よりも、表情豊かに歌うのいい。ザルツブルグでも可愛らしい娘がこんなに気の利いた歌い方をする。ヨーロッパでは上手い娘がゴロゴロいるだろうから、競争は激しいに違いない。


遠い夏に想いを-声楽

 料理は3皿出て、コーヒーがついて終った。メーンディシュのステーキも美味しかったし、何より楽しかった。いつの間にか10時を過ぎていた。ホテルに帰って寝よう。


 Viosan の「ミネソタの遠い日々」
1970年に私たち夫婦・子供連れでミネソタ大学へ留学した記録のホームページにもどうぞ