フランツスカイナー教会 - 013 | 遠い夏に想いを

遠い夏に想いを

アメリカ留学、直後の72年の夏に3ヶ月間親子でパリに滞在。その後、思い出を求めて度々訪欧。

 壁画のあるアーチの手前を右に曲がるとフランツスカイナー教会がある。壁画はイエスを抱きかけるマリアが描かれている。聖母マリアに捧げられた教会である。教会の起源は8世紀と、ザルツブルグで最も古い。13世紀にロマネスク様式で立て直され、15世紀には塔が建てられ、18世紀にバロック様式で内装を変えられている。さして大きな教会ではないが、内部は大変に優美である。


遠い夏に想いを-フランツスカイナー
(手前の塔のある建物がフランツスカイナアー教会、奥の白壁の建物がコレギエン教会)


遠い夏に想いを-祭壇

遠い夏に想いを-堂内

遠い夏に想いを-窓

 教区教会なのだが、堂内に入ると網目模様と白い壁面が美しい。正面にはエアラッハが設計した金色に輝くマリア像の祭壇があり、窓にはゴシック様式の異様な飾りと白いロココ風の装飾が広がる。



 私も適当にイメージしてきたのだが、ここで西洋の建築様式について簡単に整理してみよう。


 『ロマネスク』とはローマ風(パリのサンジェルマン・デプレ教会など)で壁が厚く、ずんぐりな作りで、構造上大きな窓が作れない。


 『ゴシック』とは12世紀か頃から起こった様式でゴート族風(つまりゲルマンの大移動で主役になったゴート族(ゴート族については、ここをクリック) 、勿論、ゴシック当時はゴート族はいないが、ドイツ風という程度か)で野蛮で変わった様式と呼ばれた(パリのノートルダム寺院など、補強するために、外から見ると多くの足<フライング・バットレス>を持つ怪獣のようだ)で、ほっそりとして、天に向かって聳え、大きなステンドグラスの窓が多い。


 『ロココ』とは「ロカイユ」(岩)というフランス語が起源らしい。繊細で優美で軽やかな様式(ミュンヘンにあるニインフェンブルグ宮殿のマリエンブルクなど)。ゴシックの一部と見なされる事もあるらしい。


 この他、イタリに行くと多く見られる『ビサンチン様式』とか『ルネッサンス様式』などがある。教会などでは『バシリカ様式』などもあり、それらを見極めるには、それなりの知識を必要とするから大変だ。


 音楽や絵画ではゴシックの変わりにバロック(ルネッサンス様式の後)を使う。バッハ以前の音楽をバロック音楽というのはご存知の通り。古典主義の中でもモーツアルトの音楽をロココ風と呼ぶことが多い。絵画ではフラゴナールなどがフランスのロココ最盛期の画家である。


 広場に面してコレギエン教会という大学の教会がある。モーツアルトのお父さんのレオポルドが青年の頃、勉学のためにアウグスブルグからここの街の大学に入学しにやって来る。勉学は挫折するが、その代わり好きな音楽の道を歩き、ザルツブルグ宮廷楽団のヴァイオリンニストになる。歴史に仮定形は存在しないが、しかし、レオポルドが挫折せず、音楽家にならなければ、妻のアンナにも回り逢えず、ヴォルフガングも存在しないだろう。


 Viosan の「ミネソタの遠い日々」
1970年に私たち夫婦・子供連れでミネソタ大学へ留学した記録のホームページにもどうぞ