また迷子になる - 055 | 遠い夏に想いを

遠い夏に想いを

アメリカ留学、直後の72年の夏に3ヶ月間親子でパリに滞在。その後、思い出を求めて度々訪欧。

 地図を見たら、何と正反対の方向に歩いていたのだ。ホテルの前の通りの2本ばかり離れた通りを歩いている。シラー通りとか、ゲーテ通りとか、道路標示がある。ノッコが「今度はいちいち通り名を確認して歩こう」と言う。もっともな話しだが、老眼と弱い近眼の私には地図を見る時は虫眼鏡で、通り名を見る時はメガネを持ってきていないのでノッコに聞くしか方法が無い。


遠い夏に想いを-旧市街
 シュヴァンターラー通りを右に曲ってソンネ通りまで歩くことにした。コートを買うにも店屋がない。ソンネ通り(上のパステル画)は幅の広い緑地帯があって、ゆったりと美しい通りだ。ここはその昔、ミュンヘンの旧市街を囲っていた城壁を取り除いた跡地だろうか。その先に市庁舎や聖母教会の塔が見える。


 急に、軽い目眩がした。どんどんひどくなって来る。色々な原因が重なったらしい。寒さと、旅行の疲れと、慢性鼻炎の悪化と、視力低下と(左目は0.1の遠視)。寒いので急いで歩いて来たことが、かえってよくなかったらしい。


 ソンネ通りのバーガーキングに入り、少し休むことにする。温かいコーヒーを啜っているうちに、落着いて来たので店を出た。しかし、座っているとよいのだが、立って歩くと再び軽い目眩が襲う。カールスプラッツまできて、近くの洋装店で足を止め、コートを見るが気に入ったデザインのものが無い。そのうち立っているも辛くなって、地下鉄の駅に降りていった。地下の方が温かいと思ったからだ。


 Viosan の「ミネソタの遠い日々」
1970年に私たち夫婦・子供連れでミネソタ大学へ留学した記録のホームページにもどうぞ