息抜きに喫茶店へ - 041 | 遠い夏に想いを

遠い夏に想いを

アメリカ留学、直後の72年の夏に3ヶ月間親子でパリに滞在。その後、思い出を求めて度々訪欧。

 まだ、時間がある。雨が降っているので、動き回るのが面倒になって来た。北国の短い夏の終りは、寒さが身にしみる。


遠い夏に想いを-通りで

 周りを見回すと、通りのパン屋の清潔で明るい店内が我々の足を引き止めた。
「時間が少しあるし、休んで行こう」と店屋に入った。


 熱いコーヒーで冷えた体を暖めたかった。パン屋は入って左半分がパンの売り場になっていて、右手の奥が喫茶室の入り口になっており、覗くと入り口の直ぐ左の席だけが空いていた。テーブルが7つくらいある。コーヒーを飲んでいるのは男性も女性も年配の人達だ。いかにも楽しそうな穏やかな様子で、喋り口もゆっくりとしている。こんなゆったりした生活も羨ましいが、多分、我々には無理かもしれない。


 店の女の子がオーダーを取りに来た。コーヒー2つに、ケーキが1つ。メニューなどない。ケーキはノッコが店へ戻って実物を指差したらしい。ところが、いつまで待っても持ってこない。ゆったりもいいけど、時間に制限のある身にはいつまでも来ないのは困る。


 店を覗いて督促すると、「今っもって行きます」という振りをする。やや暫くして、背の高いコーヒーカップとケーキを持って来た。時計を見るとまだ15分あり、そう急ぐことはない。背の高いコーヒーカップはローテンブルグのパン屋で出てきたコーヒーと同じだ。この地方のパン屋ではどこでもこうゆうカップで出すのだろうか。コーヒーの量も背の高い分多いし、味もかなりイタリアコーヒーに近い濃い味だから、15分で飲むには少し大変だ。でも、コーヒーは旨いし、ケーキも美味しかったから、傘をさしながら、町を歩くよりも素適な時間を過ごしたと思う。


 Viosan の「ミネソタの遠い日々」
1970年に私たち夫婦・子供連れでミネソタ大学へ留学した記録のホームページにもどうぞ