普通、古い町にはマルクト広場と呼ばれる中央広場があるが、この町にはマルクト広場がない。小さな広場があるだけだ。小雨がぱらついているので、周囲の建物はよく見られないが、ドイチェス・ハウスと呼ばれる15世紀初頭の7層の木組みの家を挟んで5軒ほどの古い家が並ぶ。みな切り妻屋根が美しい15世紀から16世紀に建てられた民家だ(前回のブログ参照)。イギリスに点在するチューダー朝の木組みの家もそうだが、ヨーロッパの木組みの民家は、実際にそこで生活しながら残っているので、素晴らしいし、驚きである。日本の古い民家は大抵が人の住まない建築物と化している。
斜め向いの聖ゲオルグ教会は13世紀のロマネスク風の四角い塔を持つ、15世紀中葉に建てられたゴシック様式の建物だ。塔は無骨だが、どっしりと重量感のある姿をしている。
教会の中は意外と明るく、さすがに天井が高い。一段上がったところに、キリストの磔刑の主祭壇がある。
側廊に聖母マリアの祭壇があり、その前に並ぶベンチに座って祈っている人達がいる。どこの教会でも聖母マリアは人気がある。人気があるというのは言い過ぎだが、キリスト教の教義にない、ローマ・カトリックも認めていないマリア信仰の根強さがはっきりと見える。
Viosan の「ミネソタの遠い日々」
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