次にバスが停まったのは、ヴァイカースハイムとうい町、というより村と言った方がよいところかな。「....ハイム」というのは、英国の「ラヴェナム」の「....ハム(村)」と少々違い、日本ではアパートやマンションの名前に使われる、ホーム(家屋)という意味。ヴァィカース家といったところだろう。
ここの城は余りにも大きい。15分ばかりの停車だから、何も見られない。小雨のなかを150メートルほど小走りに走る。城の入り口に着くと料金所があって、赤いカーデガンを羽織ったおばあさんが番をしていて、切符をくれる。バスのお客は時間が無いことを知っているから、庭の拝観料しか取らない。
庭は広くて美しい。バラが咲いている。この先のタウバー川まで庭が続いているらしい。イギリスの城に見られるように広大な庭である。タウバー川は見えないが、その先の丘は遥か彼方だ。
町のマルクト広場の左側に市庁舎が奥にヴァイカースハイム城があり、後ろ手に市の教会がある。しかしこんな小さな町にこんなにデッカイ城を造るなんてホーエンローエの一族も大したものだ。
雨が激しくなってきたので、バス乗客は殆どバスに残って、出てきてもバスの周りをうろうろするだけだ。時間がないので城の前まで行って引き返す。庭まで入ったのは5~6人だった。左側のシートに座っている若いカップルが城を抜けて奥の方まで走って行った。まだ大学生のようなカップルで、いつもバスを降りると出発間際まで戻ってこない。バスの停まった直ぐ傍に市の教会があるのだが、中に入っている時間がない。
Viosan の「ミネソタの遠い日々」
1970年に私たち夫婦・子供連れでミネソタ大学へ留学