ゲーテハウスの出口で係員の女性にレーマーへの道順を聞いた。とにかくフランクフルトでは迷子になりっぱなしだし、この寒さだ、ここらで無駄足を踏まずに真っ直ぐ行きたいと思ったのだが、この女性の書いた略図のメモでは、「北東に行って、それから真っ直ぐ南に下がる」となっている。何度聞いてもこれが一番判りやすいと言う。どうも解せない。レーマーは地図によるとこの位置から南西の位置にある。
「折角、図面まで書いて教えてくれたのだ、彼女の助言に従おう。何しろ、フランクフルトのAngel of Mercyだ」
そうゆう事になった。この寒さの中で、これが大きな間違いの元になった。言われる通りに来たら、当然の事ながら、ハウプトバッヘ広場に来てしまった。これから南に下がるはずだが、どうゆう訳かツアイル通りを東に歩き出してしまった。フランクフルト一の商店街だ。道幅は広くモダンな店構えが多いが、今日は日曜日なので殆ど閉まっている。
「あのAngelは親切心でフランクフルトの商店街を見せたかったんだよ」などと言いながら暫く歩いた。余りに感じが変なので、通り表示を見た。その時ここがツアイル通りだと判った。
雨は上がったが、空は曇っている。とにかく寒い。ハッセン通りで南に折れて歩く。途中、通りの右奥にリーブフラウエン教会(聖母教会)が見える。可愛らしい教会の建物だ。(上は奥にフラウエン教会)
暫らく歩くと、ハッセン通りの正面奥にレンガ色の教会の塔が見える。どこかで見た教会だ。案内書の写真にあるDOMと同じだ。そのまま南に真直ぐ進んだ。今度は絶対に間違いない。レーマー広場だ。この路を行こう。そう確信をもて歩き出した。ノッコは私の方向感覚に信頼を失っていたので、気乗りしないようだった。
歳をとってから視力がかなり悪くなり、その上、標識などのドイツ文字が見えなくなっていたので、迷子になってばかりだ。この先が思いやられる。
Viosan の「ミネソタの遠い日々」
1970年に私たち夫婦・子供連れでミネソタ大学へ留学した記録のホームページにもどうぞ
