ドイツの喫茶店 - 010 | 遠い夏に想いを

遠い夏に想いを

アメリカ留学、直後の72年の夏に3ヶ月間親子でパリに滞在。その後、思い出を求めて度々訪欧。

遠い夏に想いを-cake  ケーキとコーヒーで暖まった。ナッツ入りのケーキはこってりしているが、見かけよりも美味しい。ケーキというとイタリアやフランスを連想するが、本当はドイツ・オーストリア圏はケーキの美味しいところだ。


 72年に入ったウイーンのお菓子店は、名前は忘れたが格式ある店で、白い壁にダークオークの調度品が印象的で、天井が高くて立派であった。チョコレートで包んだケーキの味は忘れられない。


 東京に帰ってもオーストリア菓子の味が忘れられず、オーストリア・ドイツ・スイス菓子店があるとよく通ったものだ。今はないが、東京の渋谷の東急百貨店の前にあったドイツケーキの店にはよく通った。ドイツ菓子の特徴は生クリームを極力使わず、無縁バターのクリームで作るしっかりとしたケーキである。これらの菓子は、最近では流行らないが、本物の味のするケーキなのである。


 戦前は菓子屋の倅だった私が言うのだから間違いない。子供の頃、父が工場で無塩バターのクリームを使ってケーキにデコレーションしていたのを思い出す。今のケーキはアメリカの影響か、まるで軟弱で、生クリームの固まりみたいな代物である。私の基準からするとケーキとは呼べない。


 Viosan の「ミネソタの遠い日々」
1970年に私たち夫婦・子供連れでミネソタ大学へ留学した記録のホームページにもどうぞ