それはハウプトバッヘ広場だった。まるで無人の広大な広場だ。観光客らしい中年の女性が地図を片手に広場の手前の交差点で信号待ちをしている。
広場の真ん中に田舎の駅舎のような建物が見える。いかにもドイツという感じの建物で、何か懐かしい感じのするカフエだった。この寒さでカフェテラスには誰もいない。開いているのかどうか判らないが、とにかく覗いてみる事にした。
店内に入る。店には3組ほどの客がいた。左は菓子のウィンドーになっており、右は広いカフェになっていて、テーブルが10個ぐらいある。余り暖かくはないが、外よりましだ。
驚いた事に、『しゃけどんぶり』と日本語で書いて、写真まで添えて、入り口にぶら下がっている。日本人の観光客用だ。遂に、極まれりという感じだ。
72年にローマで坂道を歩いていたら、レストランの店先に日本語で『日本食あります』という大きな張り紙を見て驚いたが、今の時代に『しゃけどんぶり』の張り紙があっても驚かなかった。もうそうゆう時代なのだから。
Viosan の「ミネソタの遠い日々」
1970年に私たち夫婦・子供連れでミネソタ大学へ留学した記録のホームページにもどうぞ