外は寒い。空気が肌を切る感じである。思わず襟のボタンを閉める。前日の雨が明け方まで降り続け、まだ道路がぬれている。空は曇っているが、時々太陽が顔を出す。
寒い。東京の冬と同じくらい。10度前後だろう。まだ9月の上旬だ。駅前のカイザー通りを真っ直ぐ旧市街に向かって歩く。
日曜日の朝なので人は歩いていない。ヨーロッパはどこの国でも日曜日の午前中は教会に行くか自宅で休息するかで、午後にならないと人々は街には出てこない。
300メートルほど歩くと幅100メートルほどの緑地帯にぶつかり、左側にゲーテの像がある。前世紀の中頃までここに都市を囲む壁が有り、これを取り払って緑地帯ができたらしい。
右側に行くと市立劇場がある。近代的な建物で、まるで市民ホールというデザイン。1960年に完成されたというから、結構古い建築だ。フランクフトには1880年に完成された旧オペラ劇場がある。これは戦時中に爆撃をうけ、以来使われていなかったのを、現在は修復されて多目的劇場として使用されているという。
今夜の出し物はヴェルディの「リゴレット」とある。8時開演だから、ホテルからも近いし当日券を求めて来てもよいのだが、余りにも寒い。残念ながら、オペラに関心が薄い。と言うより興味が無いので結局来ずじまいだった。
Viosan の「ミネソタの遠い日々」
1970年に私たち夫婦・子供連れでミネソタ大学へ留学した記録のホームページにもどうぞ