今回はテムズの旅なのにオックスフォードに来ても、テムズ川を見られない。テムズ川はオックスフォード駅の外側を流れている。少しばかり時間があっても、川にいくには時間が足りないので諦めた。
「ボートの三人」の主人公たちもオックスフォードに3日いて、折り返し雨の中下流の流れにのってロンドンに帰る。オックスフォードの情景は述べられていないが、やたらと犬が多い町だと記している。
オックスフォードで見学したのはこのカレッジだけで、大学の構内を見ていないので、オックスフォード全体のイメージがわかない。
90年に行ったケンブリッジの時のようにチャールズと冗談を交わしながら、ゆったりと歩いて構内を見て廻ったようにはいかない。あの時は午後の時間を費やしたのだから時間は充分にあった。
ここを見終わったら、街をぶらついてバスに戻るだけだが、時間が少々ある。画材店があったので、携帯用の水彩絵具のセットをノッコ用に買った。ウィンザー & ニュートンの木製のケースに24色のハーフパンが入った可愛らしいものだ。
「どうせ使わないで、このまま永久保存の記念品になると思うけど」とノッコは笑った。私は、下手ながら、時々、水彩、鉛筆、パステルなどの絵を描くのだが、多分、ノッコは使わずに終ってしまうだろう。
30年以上も前のことだが、ノッコは彫金を始めた。彼女の妹が彫金の仕事をしていた影響かもしれない。2~3年続けたが、彫金の道具を姉に譲って、やめてしまった。もともと、デザインのセンスはあると思うのだが、本人はセンスがないと主張する。惜しいことだと思うが、その代わり学生時代に弾いていたチェロに再び夢中になった。
ミネソタの遠い日々
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