カティサーク - 44 | 遠い夏に想いを

遠い夏に想いを

アメリカ留学、直後の72年の夏に3ヶ月間親子でパリに滞在。その後、思い出を求めて度々訪欧。

遠い夏に想いを-テムズ  国立海洋博物館と王立海軍大学の間の道を真っ直ぐ進み、海軍大学を左に折れてテムズの岸に出る。テムズもこの辺では河口に近くなるから川幅が広い。水もヘンリーやマーローなどに比べたら、かなり濁って茶色に淀んでいる。


遠い夏に想いを-カティサーク  カティサークの船内を見学することにして甲板に上る。船底に下がると、おびたただしい数の船首像が並んでいる。船も大きいから、船首像も大きい。












遠い夏に想いを-figurehead  可愛らしい女性の像から、アマゾンみたいにいかめしいのやら様々である。全部で何体あるのだろうか、船底の周囲にびっしり飾ってある。一隻でこんなに沢山の船首像を使わないから、当時の帆船の船首像を集めて保管し、展示しているのだろうか。この船は帆船の博物館になっているのだ。


遠い夏に想いを-figureheads  カティサークはご存知のように、1869年にスコットランドで建造されたクリッパー(快走帆船)で、中国から紅茶を、オーストラリアから羊毛を運んでいた。当時は帆船で最も速い船だった。スエズ運河開通とともにその運命に終止符がうたれ、ポルトガルに売却された。1954年に買い戻され、ここに置かれている。

遠い夏に想いを-ウィスキー
 この旅の後の2007年に修復作業中に火災を起こし、大半が焼失したらしい。貴重な文化財を失ったものだ。募金活動で修復資金を集めたらしいが、その後どうなったかは知らない。


 横浜の三井造船跡に日本丸という帆船が係留されている。1930年に建造された商船学校の練習用の帆船である。カティサークよりも60年近く新しいが、セールの高さが一段と高く、見るからにスマートな帆船である。


 ミネソタの遠い日々
1970年に私たち夫婦・子供連れでミネソタ大学へ留学した記録のホームページにもどうぞ